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自然電力(福岡)など再生エネルギー関連5企業が連携して、洋上風力専用の国産作業船舶を建設へ。2019年にも完成。わが国の「洋上風力時代」移行に対応(RIEF)

2017-09-07 18:20:38

HASTYキャプチャ

 

  再生可能エネルギー開発に強い国内企業連合が、洋上風力発電を建設するための専用の自己昇降式作業台船(SEP)の建設に乗り出した。対象となる洋上風力は5MWクラス以上の大型のもので、今後、洋上風力発電の建設が進むとみられるが、国内には風力発電用の自己昇降式作業台船を保有する企業がないことから、国産で建造するという。

 

 洋上風力発電用の作業船の建造で連携するのは、アチハ(大阪)、自然電力(福岡)、東光電気工事(東京)、吉田組(兵庫県)、若築建設(東京)の5社。2019年中に完成させる予定。事業費等は公表していない。

 

 SEPはプラットフォーム(台船)と昇降用脚を保有し、設備を設置する海面上にプラットフォームを持ち上げて、その上でクレーンや杭打ちなどの作業を行うための船のこと。「HASTY-W」と名づけ、建造するのは組立船と運搬船の2隻からなる船団体制。

 

  HASTY-Wは着床型の風力発電建設に用いる。組み立て船は水深30mでも対応でき、プ昇降力を使ってラットフォームと海面の間を10m確保できる。クレーンは1300㌧吊級。全長85m、幅40m、深さ6m、計画喫水3mの仕様だ。昇降能力は2200㌧クラスを4基備えている。安定保持システム(DPS)を利用し、作業位置を最短30分で決定できる機能を有する。50人が居住できる。

 

 運搬船は昇降能力が1300㌧クラスを4基、全長50m、幅35m、深さ5.5m、計画喫水3.3mと組立船より、一回り小さい。組立船と運搬船には、それぞれ5MW級の風車2基分を搭載できる能力を持つ。

 

 企業連合を結んだ各社は、それぞれ再エネ事業等での専門企業。アチハは超大重量物の輸送・据付業務の専門企業で、風力発電所の建設工事を100基以上手掛けている。自然電力は、全国で約700MWの太陽光発電事業に携わってきた実績を持ち、最近は風力・小水力発電や、太陽光のEPC事業、アセットマネジメントなども行っている。

 

 東光電気工事は、太陽光や風力などのEPCとして実績を持つほか、洋上風力でも茨城県神栖市や五島列島沖。福島県置きの洋上浮体式風車の施工実績など豊富な実績を誇る。吉田組は港湾やダムなど多方面での土木事業の実績のほか、太陽光など再エネ関連工事も手掛けている。若築建設は海洋土木事業を中心に展開、再エネ関連工事にも注力している。

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