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食品廃棄物等の廃油脂で発電する国内最大級のバイオマス発電自動車を開発。NEDOとティービーエム社。「松屋の牛丼」の廃油脂で実験成功(RIEF)

2017-09-12 18:04:46

foodgenerationキャプチャ

 

  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は排水浄化の専門企業、ティービーエム(埼玉・所沢市)と連携し、飲食店などの排水処理で発生する食品の廃油脂を原料にした発電燃料の製造に成功した。この燃料を利用して発電する国内最大級のバイオマス発電自動車を開発、各地でのイベント用などに電力を供給する実証試験を展開している。

 

 飲食店や食品工場などからの排水は、下水道法や水質汚濁防止法によって排水基準が定められている。また下水道や公共用水域に汚染水や廃油脂などが直接流出することを防ぐため、グリース・トラップ(グリース阻集器)の設置が求められている。

 

 今回の開発は、このグリース・トラップで回収される動物性油脂などの廃油脂(トラップ・グリース)を燃料として活用する。廃油脂は全国で年間31万㌧の排出量が推定されている。だが、これまでは水分含有率が高く、不純物も多いことから、燃料化が困難で、汚泥として廃棄物処理され、未利用資源となっていた。

 

 ティービーエムは、店舗や施設の排水を浄化する独自技術を持っており、NEDOと共同で、トラップ・グリースを精製・改質する技術開発を進めた。その結果、化学薬品を一切使用せず、また副産物も出さない、発電用バイオマス燃料「SMO」の製造にこぎつけた。グリースの60%を燃料に転換、残りは水と残渣になる。精製にかかる費用は1㍑30~35円程度。これらの燃料を利用して発電する100KVA規模の発電機を搭載した国内最大級のバイオマス発電自動車を開発した。

 

NEDOキャプチャ

 

  今月10日には、埼玉県入間市で、牛丼チェーンの松屋フーズの協力で、同社の入間店ほか埼玉県内98の牛丼店から回収された動物性油脂を原料にした発電用燃料200㍑を製造した。燃料を使った発電自動車は、市内で開催されたイベントに出店した露店20店などに、電力を10時間にわたって供給できた。NEDOは「排水浄化の過程で分離回収された排水油脂を原料に製造された発電用燃料で発電する実証試験は、世界初」と評価している。

 

 ティービーエムは、今年度中に、各地の自治体イベントなどで実証試験を繰り返したうえで、2020年までに排水浄化からグリーン電力を生み出す「フード・グリーン発電システム」を首都圏全域に普及させる計画だ。発電燃料は地域の食料廃棄物が元になる「新たな都市資源」なので、「エネルギーの地産地消モデル」として確立する考えだ。CO2削減、リサイクル、水質浄化の効果も発揮する。

 バイオマス発電を搭載した発電自動車は、防音機能も優れており、非常時などの夜間や外部での発電にも適している。災害時には非常用独立電源として自治体が各地に配備することも考えられる。

 

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100827.html