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富士通、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が進める環境技術普及促進の「WIPO GREEN」に参加。日本企業2社目。温暖化関連の特許技術約200件を登録。SDGs促進に貢献(RIEF)

2017-09-19 23:19:15

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 富士通は国連の世界知的所有権機関(WIPO)が進める地球環境促進のための環境技術紹介・普及の仕組みである「WIPO GREEN」にパートナー企業として参加した。新興国や途上国の企業が温暖化対策を容易に展開できるよう、自社の特許技術約200件を登録した。日本企業としては帝人に次ぐ2社目の参加となる。

 

 「WIPO GREEN」は環境関連技術・サービスの提供者と温暖化対策などの解決策を求める事業者を結びつけることを目指した仕組みで、環境関連技術の普及とイノベーション促進のプラットフォームとグローバルなネットワークで構成される。2013年の運用開始以降、100か国以上で2600件を超える環境技術やニーズがデータベースに登録されている。また「WIPO GREENネットワーク」には世界170か国で6,000以上の個人や組織が参加している。

 

 このプラットフォームとネットワークを通じて、多様なプレイヤーの協働によって環境技術の普及とイノベーションを促進し、SDGsの「目標17(持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する)」に寄与する活動として位置付けられている。

 

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 富士通は、このWIPO GREENのデータベースに、自社のGaN-HEMT ACアダプターや光触媒、リン酸鉄系リチウム二次電池用正極材料などを始めとする約200件以上の知的所有権を今年度中に登録する。GaN-HEMT ACアダプターは2015年に富士通が世界で初めて開発したもので、スイッチ素子に動作抵抗の小さいGaN-HEMT(窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ)を使った小型の高効率ACアダプター。

 

 また2003年に、富士通研究所と東大先端科学技術研究センターが共同で開発した光触媒関連の特許も登録する。吸着性に優れ有機物(菌、ウィルス、汚れなど)の高い分解能力を備えつつ、適用した素材の劣化が少ない特徴を持つ。

 

 リン酸鉄系リチウム二次電池用正極材料は、富士通研究所が2017年に世界で初めて開発したもので、レアメタルであるコバルトを用いず、豊富で安価な鉄を用いて従来のコバルト系材料に匹敵する高電圧を実現できる。

 

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 WIPO GREENのパートナー企業には現在、米GEやや独シーメンス、米半導体大手クアルコムなど約80社・団体が参加している。日本企業としては帝人に次ぐ参加で、IT企業では初参加となる。

 

 富士通は、今年5月に策定した中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」を策定、デジタル革新を支えるテクノロジーやサービスの提供を通じた「脱炭素社会への貢献」を目指している。従来からも、製品・サービスのエネルギー効率の向上や環境負荷低減に必要な研究開発に伴う環境技術関連特許やノウハウなどの知的財産を多数保有しており、これらをWIPOのネットワークを通じてグローバルに普及させることが可能になると判断した。

 

 またこれらの技術の途上国や新興国への移転を通して、SDGsの「目標7(エネルギー)」、「目標9(インフラ、産業化、イノベーション)」、「目標13(気候変動)」などの目標達成に貢献することも目指すとしている。

http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/09/19-1.html