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ハウステンボス。次世代太陽電池「ペロブスカイト」を、来夏、パークの宿泊施設で実用化。宿泊客のスマホ充電やパーク内の電力に活用。将来は壁や窓にも貼り付け(各紙)

2017-10-05 23:27:32

HTBキャプチャ

 

 各紙の報道によると、ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)は、来年夏に開業する同パークの宿泊施設に、壁や窓に自由に貼り付けられるフィルム型の次世代太陽電池「ペロブスカイト」を導入、実用化する。太陽光パネルを載せる台や大がかりな工事が必要なく、製造・施工コストも安く、今後の普及が見込めるという。

 

 ペロブスカイト電池は、結晶構造の一種。鉱石である「ペロブスカイト(灰チタン石)」と同じ結晶構造を持つために名付けられた。そもそもは日本の大学で開発されたもので、結晶材料でできた次世代の太陽電池として注目を集めている。

 

 現在は、世界中の研究者が実用化を目指し開発競争に参入、光電変換効率は次第にシリコン製に近づいており、将来はシリコン製を超える可能性が指摘されている。低温で作ることができるので製造コストが安くできるほか、曲げ伸ばしが自由で色もカラフルなどのメリットがある。

 

HTB3キャプチャ

 

 HTBはポーランドで太陽光シート開発を手掛けるベンチャー企業、サウル・テクノロジーズに出資、開発を支援している。同社もペロブスカイト太陽電池を開発しており、改良・改善を加えて、従来のシリコン製太陽電池よりも変換効率をアップさせた。「一般的な設置環境で耐久性が高く、発電効率が劣化しない」(HTB)という。

 

 HTBは来年夏にオープンする「変なホテル第3棟(サウスアーム)」で同電池を実用化する予定という。フィルムは透明でなく網目状で、自在に曲がる特長を生かして、まずは電池でオブジェをつくり、宿泊客がそこにスマホを置けば、充電できるような形でアピールする計画だ。

 

 今後、量産体制に移行すれば、建物の窓やベランダの下部や壁に貼りつけることも可能になる。施工が楽で、保守経費も抑えられる。発電した電力は「変なホテル」で使って、実証するとともに、ホテル自体を次世代太陽電池のショールームとして位置付けて、市場を開拓する計画という。

 

 自社施設で使うだけでなく、他のホテルやオフィスビル、工場などの業務用向けに外販活動も検討しているという。シリコン製のように屋根に設置するだけでなく、窓や外壁などにも簡単に貼り付けられるので、家庭用の分散型電源としての需要も想定しているという。

 http://www.huistenbosch.co.jp/aboutus/release.html