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徳島・阿南市の再エネエンジニアリングの藤崎電機、世界初の「竹」専焼のバイオマス発電所建設へ。ドイツ企業と燃焼技術開発。全国・海外展開も視野に(RIEF)

2017-10-20 11:13:30

fujisaki2キャプチャ

 

 再生可能エネルギー発電などのエンジニアリングサービスを提供する藤崎電機(徳島県阿南市)は、世界で初めて、竹を燃料として専焼するバイオマス発電所の建設に着手した。山口県山陽小野田市の小野田・楠企業団地内に設置し、発電容量は2MW。2019年1月に操業を予定している。日本各地の里山等で起きている竹の繁茂問題解消につながるほか、バイオマス発電の安定燃料としての期待もある。

 

写真は、起工式の模様)

 

 同社は、今月17日に現地で起工式を行った。投資額は約21億8000万円。本格的な着工は12月の予定。年間想定発電量は約15,800MWhで、一般家庭約4,860世帯分の年間電力消費量に相当する。年間CO2削減量は約8,223㌧の推計。発電した電力は全量、固定価格買取制度(FIT)を利用して中国電力に売電する予定。

 

 竹はケイ素の含有が多いため、燃やすと燃焼管内にシリカ(二酸化ケイ素)のスラグが付着、カリウムが溶け出してボイラーが傷む原因になるなどの課題がある。これまで日本のボイラーメーカーではこの点を十分には克服できないとされ、藤崎電機ではバイオマス発電技術で優れたドイツのランビォンエナジーソリューションズ社との共同開発に取り組んできた。http://rief-jp.org/ct10/53729

 

 技術は2015年7月に開発のメドがつき、当初は昨年1月に着工の予定だったが、準備の都合等で、ようやく今回、起工式にこぎ着けた。藤崎グループは、この事業で、発電所の開発から燃料となる竹の伐採、運搬、チップ化、発電所の企画設計、調達、建設、運営、メンテナンスまでを自らトータルエンジニアリングとして取り組む。

 

 起工式 には、地元山口県の村岡嗣政知事、藤田剛二・山陽小野田市長、 久保田后子・宇部市市長、 西岡晃・美祢市長らの地元自治体関係者のほか、燃焼炉を共同開発したランビォン社代表のアクセル・ランビォン氏、金融機関、協力会社、研究機関関係者らが出席した。

 

 竹は、里山や山林整備等が十分でないことに加え、温暖化の影響で各地で竹繁茂が問題化している。ただ、これまではその有効活用が難しく、効果的な対策がとられていない。しかし、竹をバイオマス発電の燃料として利用できるようになると、山林の整備に加えて、燃料の安定確保が課題となっているバイオマス発電の普及にもつながる。

 

 最近では、竹をバイオマス発電に利用する技術開発は他社でも進んでいる。日立製作所なども新たな技術を開発したほか、熊本県のバンブーエナジー社なども独自の開発に取り組んでいる。

http://rief-jp.org/ct4/68294

http://rief-jp.org/ct4/70426

 藤崎電機では、今後、同発電所を全国展開することや、日本だけでなく海外での事業展開も視野に入れているという。今回の山陽小野田市での第1号発電所の建設に続いて、地元の徳島県阿南市で2号機を建設、今後、国内で100~200MW、海外で200MWの事業展開を想定しているとしている。

 

http://www.fujisakikk.co.jp/app2/wp-content/uploads/2017/10/d5c485e71b209d929c4fe5b94cb3dd97.pdf

http://www.fujisakikk.co.jp/