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米国で女性中心の資産運用会社が、化石燃料だけでなく、人権・雇用などのブラック企業もDivestmentの対象とする初のETF(上場投資信託)を立ち上げる(RIEF)

2017-10-21 07:19:56

Change finance1キャプチャ

 

 米国で女性中心に運営している資産運用会社「Change Finance」は、化石燃料関連企業を排除するだけでなく、女性や人権面での多様性(ダイバーシティ)を投資銘柄選択の尺度にした初のETF(上場投資信託)を立ち上げた。国連の持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる主要な目標に沿った投資ファンドともいえる。

 

 始動したETFは、「The Change Finance Diversified Impact U.S. Large Cap Fossil Fuel Free ETF (NYSE: CHGX)」。Change Finance は昨年設立されたETFを軸とした資産運用のスタートアップ企業。CEOのDonna Morton氏は「CHGXは投資に新たなページを開くものとなる」と語った。CHGXは米上場企業約1000社を投資対象とするが、そのESGスクリーニングでは、「悪い行動者」として、石油・ガス・石炭、たばこ、さらに不祥事企業などを除外するDivestmentクライテリアを採用している。

 

 CHGXが他のESG評価を標ぼうする投信・ファンドと異なるのは、化石燃料産業等からDivest(資金引き揚げ)する温暖化対応の視点だけでなく、性別や国籍、人種、宗教などでの人権差別企業も資金を引き揚げるDivestの対象としている点だ。また投資先企業の変化を求めて株主行動を積極的に行うため、経費率を0.75%と高めにとっていることも公表している。

 

change finance2キャプチャ

 

 Morton氏は「我々の投資家は、投資パフォーマンスを犠牲にせずとも、彼らが社会に求めることに、ファンドが適合することを求めている。化石燃料フリーは不可欠で、CHGXはその先を行く。化石燃料の関連産業をDivestするだけでなく、人権や労働搾取、その他の環境・社会的基準を逸脱するような企業もDivestする。他のETFとは全く違う」と強調している。

 

 CHGXが投資銘柄を選定する方法は、SDGsが掲げる貧困撲滅、生活周りのあらゆる支援、平和の持続と人権尊重などを目指す国際基準に基づいている。Change FinanceはSDGsの視点を踏まえながら、顧客のために投資リターンも確保する投資オプションを生み出している。

 

 Change Financeの社長を務め、同社では数少ない男性であるAndrew Rodriguez氏は「われわれは、殺虫剤製造業や、兵器製造業、腐敗不祥事が露呈した企業、労働者や先住民族を搾取する関係にある企業などを明確に拒絶する。われわれの総合的な経験を生かして、人々を傷つける(harm)資金供給から、人々を癒す(healing)へ資金を動かすのだ」と説明している。

 

 そうした資金運用の結果が、ESG+Diversity ETFというわけだ。今回のETFは、21世紀に期待される企業への投資でもある。同社では、CHGXのようなスマート投資手法を、もっとも悪い環境・社会課題の解決のための投資手段として位置づけており、今後は、一般の投資家の中核ポートフォリオの中心的投資手段になっていくと判断している。

 

 日本の資産運用会社もトライしてみてください。