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ソフトバンクグループのSBエナジー、モンゴルでの大規模風力発電完成。国内発電量の4.4%を供給。孫正義氏「アジア・スーパー・グリッド構想の第一歩」と強調(RIEF)

2017-10-21 23:08:05

SBenergy1キャプチャ

 

 ソフトバンクグループのSBエナジーは、モンゴルのゴビ砂漠で開発していた風力発電プロジェクト「Tsetsii Wind Farm(ツェツィー・ウィンドファーム)」を完成、発電を開始した。発電容量は50MWで、モンゴルの全発電量の4.4%に相当する。発電した電力は国内消費に充当する。ソフトバンクの孫正義会長兼社長は、「アジア・スーパー・グリッド構想に基づく自然エネルギー事業の橋頭堡」と評価している。

 

 Tsetsii Wind FarmプロジェクトはモンゴルのNewcom LLC(ウランバートル市)との合弁会社のClean Energy Asia LLC(同)が事業主体となっている。プロジェクトでは、ウムヌゴビ県ツォグトツェツィー郡の草原に、2000kWの発電容量を持つ風力発電機を25 基、設置した。

 

 年間予想発電量は約2億kWh。同プロジェクトは、欧州復興開発銀行(EBRD)と日本の国際協力機構(JICA)からのファイナンスを受けている。JICAによる自然エネルギー分野では初の海外投融資によるドル建てプロジェクトファイナンス案件、という。

 

プロジェクト完成の開所式の模様
プロジェクト完成の開所式の模様

 

 モンゴルでは国全体で113万kW(1,130MW)の電源設備容量がある。電源構成は石炭火力88%、ディーゼル6%、自然エネルギー6%、水力2%で、現状では自然エネルギーの割合が低い。同国では高い経済成長が続いており、電力の需給逼迫が喫緊の課題となっている。また、気候変動による干害などの影響も懸念されている。

 

 こうしたことから、国としても太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの開発に力を入れ始めている。2015年に承認された国のエネルギー部門の中長期目標・計画(2015‐2030年)では、総発電容量に占める自然エネルギーの割合を2020年までに20%、2030年までに30%まで引き上げる目標を立て、国際金融機関やドナー国と協力してエネルギー分野の投資促進を進めている。

 

 今回のTsetsii Wind Farmプロジェクトも、日本と連係する2国間クレジット制度(JCM)の適用可能性調査を受けている。

 

 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は「2011 年に発表したアジア・スーパー・グリッド構想をきっかけに、ソフトバンクグループによるモンゴ ルでの自然エネルギー開発の取り組みがスタートした。今回のプロジェクトが運転開始を迎えたことで、日本、インドに加え、モンゴルでもアジア・スーパー・グリッド構想に基 づく自然エネルギー事業の橋頭堡を築けたことを大変嬉しく思う」とコメントを発表した。

 

http://www.sbenergy.co.jp/ja/news/press/2017/1006_160000.html