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日本風洞製作所(福岡)、小型風力発電のプロペラを後付で2重化可能なアタッチメント開発。発電効率4割向上(各紙)

2017-10-30 13:16:43

wind1キャプチャ

 

  日本風洞製作所(福岡県久留米市)は、小型風力発電機のプロペラを後付けで2重化するアタッチメントを完成した。2重化により発電効率は約4割向上する一方、従来の半分程度の風速で動くという。来年4月をめどに発売する。複数の風力発電機の設置が難しい場所での需要を見込む。

 

 日本工業新聞が伝えた。通常、風力発電機はプロペラが1つだが、同社では九州大学が開発したプロペラを2つ持つ風力発電機(2重ロータ風力発電機)を開発・製造している。独自の動力伝達装置によって、通常型の風力発電機の半分程度の風でも発電を開始することができ、高風速時も優れた発電特性が可能という。

 

 今回、同社はこの2重ロータを既存の風力発電に後付でも対応できるように、アタッチメントを開発したわけだ。開発したのは、出力1kW未満用と1kW~2kw用の2種類。プロペラとアタッチメントを合わせた導入費用は風力発電機の本体価格の5割以下に抑え、発電機を新設する場合と比べて低価格で導入可能になる。

 

 2重化での発電効率向上のために、自動車の技術を応用したという。自動車がカーブを曲がる際、外輪と内輪の回転に差が生じても効率的にエネルギーを伝える「差動機構」の原理を採用している。これを風力発電に応用した。この原理の採用で、プロペラを2重化して回転速度に差が生じた場合に発電効率が低下するといった課題や、プロペラによる負荷が増して発電機の耐久性に影響を与えるリスクを減少できる。

 

 また2重化にすることで、プロペラの羽根を増やした場合と同様に風速が弱くても稼動し、より多くの発電が可能となる。従来はプロペラの羽根を増やすだけでは強風時に風の抵抗を受けて安定した発電が難しくなる課題があったが、そうした課題も克服できるという。

 

 今回の開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による2016年度の「シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援助成金」に採択された。すでに屋外試験や耐久試験なども実施済みだ。

 

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