HOME8.温暖化・気候変動 |2016年の世界のCO2平均排出量、過去最高の403.3ppmに。伸び率も過去最大の2.5%増。人類の経済活動の増大と強いエルニーニョ現象の相互作用で温暖化加速(RIEF) |

2016年の世界のCO2平均排出量、過去最高の403.3ppmに。伸び率も過去最大の2.5%増。人類の経済活動の増大と強いエルニーニョ現象の相互作用で温暖化加速(RIEF)

2017-10-30 22:22:36

WMO1キャプチャ

  世界気象機関(WMO)は30日、2016年の世界の二酸化炭素(CO2)平均濃度が、過去最高の403.3ppm(ppmは100万分の1、体積比)に達した、と発表した。前年比で3.3ppmの増加は、過去70年間例のない急増という。人類の経済活動の影響と、活発なエルニーニョ活動の影響が相互作用する形で増加した。急激な温暖化の進行は急激な気候変動をもたらすことから、WMOは「これまで以上に抜本的な排出削減が必要」と警告している。

 CO2の世界平均濃度は2015年に初めて400ppm台(400.00ppm)に乗せた。過去10年間の年平均増加ペースは2.21ppmだったが、それを5割以上上回る上昇となった。年間伸び率は2.5%増となった。産業革命前(1750年、278ppm)からすでに、45%の増加となっている。

 パリ協定では世界の気温上昇を産業革命前に比べて、2℃未満に抑えることを目標としており、その達成のためには、今世紀末にはCO2を主とする温室効果ガス全体の排出量を実質ゼロにし、CO2の場合の平均濃度を450ppm以下にとどめる必要がある。しかし、昨年の伸び率が続くと、あと14年ほどで450ppmに達することになる。

 

 CO2に次ぐ温暖化効果の高いメタンは、1853ppb(ppbは10億分の1)で、産業革命前から257%増と、CO2よりも高い伸びとなっている。メタンの排出量の約40%は湿地や昆虫などの自然の排出源によるが、残りの60%は人類が飼育している家畜類やコメなどの農業、化石燃料の開発、埋め立て、バイオマスの燃焼などから発生する。

 https://public.wmo.int/en/media/press-release/greenhouse-gas-concentrations-surge-new-record