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母校を応援する電力サービス「学校応援でんき」、NTTスマイルエナジーと「みんな電力」等の協力で実現へ。大阪高槻市で第一弾。「母校愛」で電力を切り替え、母校に応援金も(RIEF)

2017-11-02 21:44:29

takatsukiキャプチャ

 

 母校の屋根に太陽光発電設備を設置、その電力を買って母校を応援する「学校応援でんき」の取り組みが始まる。NTTスマイルエナジー(大阪)と、みんな電力(東京・世田谷)が、学校への太陽光発電敷設で実績のある柴田工業(名古屋市)、高槻市の協力で、日本初の学校を舞台にした電力サービスが登場することになる。

 

 昨年4月の家庭向け電力小売自由化開始によって、多くの電力サービスが提供されるようになった。ただ、「魅力」の大半は「価格の安さ」「他サービスとのセット割引(例:携帯電話と電力の組合せ割引)」など、価格絡みとなっている。 NTTスマイルエナジー社らは、料金面以外での価値創出による「多種多様な電力サービス」を需要家(消費者)に提供できないか、と検討を進めてきた。

 

 そこで出てきたのが、「顧客のゆかりのある場所で作られた電力を選択、利用する」という考えだ。エネルギーを、人をつなぐ「新たな価値」として捉えるのだ。みんな電力等の事業パートナーと共に、今回の電力サービスの提供にこぎ着けた。

 

 サービスの内容は、自分が子どものころに学んだ「母校」である小中学校の校舎の屋根に、学校への太陽光発電設備施工のパイオニアであり、豊富な実績を持つ柴田工業が発電設備を設置する。対象となる小中学校の選定は、再エネ拡大を市民施策として取り組んでいる高槻市の協力を得た。

 

 発電した電力は、小売電気事業者のみんな電力が販売する。みんな電力は高槻市の小中学校卒業後、各地に散らばっている卒業生や、現在の在校生の家族、学校周辺の地域住民等に絞って販売する。NTTスマイルエナジーは発電量の計測など、全体のプラットフォームを提供する、という役割分担だ。今回、対象となる高槻市内の學校は、高槻市立第六中学校、高槻市立芥川小学校、高槻市立柳川小学校の3行。

 

 単なる「縁を頼った売電」だけではない。最大の特徴は、消費者が「母校生まれの電力」の代金をみんな電力に支払うが、一部は母校などへ「応援金」として還元される仕組みをとる点だ。これによって、学校施設や自治体などは、太陽光発電設置の使用料収入に加えて、応援金を卒業生らから得る形になる。

 

 卒業生も、電力を切り替えるだけで、母校への協力を日常的にできるメリットを得る。学校や自治体はそれらの追加収入を、学校施設の改修費用等に充当できる。ただ、今回の高槻市での事例では、応援金は学校ではなく、高槻市に支払われる。

 

 「学校応援でんき」は、「母校」という人の結びつきの価値を、電力を通じて再認識させることで、安定的な再エネ電力のつながりを築く試みでもある。全国の学校が市場になる可能性がある。みんな電力は、来年年明けの1月から、同サービスの受け付けを始める。

http://nttse.com/info/20171101.html

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