HOME |来日したゴア米元副大統領が日本政府の内外での石炭火力増設を批判。「世界から悪く見られて得策か?」。再エネ政策では中国に遅れをとっていると警告(各紙) |

来日したゴア米元副大統領が日本政府の内外での石炭火力増設を批判。「世界から悪く見られて得策か?」。再エネ政策では中国に遅れをとっていると警告(各紙)

2017-11-06 14:43:09

Goa1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、来日したアル・ゴア元米副大統領は、日本がアジアなどの途上国で石炭火力発電の建設を政府系の国際協力銀行(JBIX)等の支援も得て推進していることに触れ、「ショッキングだ」と述べるとともに、「世界から悪く見られることは、いまの日本にとって得策だろうか? 私が日本人なら違う答えを示すだろう」と語ったという。

 

 朝日新聞などが報じた。ゴア元大統領は2007年に温暖化対策への貢献でノーベル平和賞を受賞している。ノーベル賞を受賞するきっかけになったドキュメンタリー映画「不都合な真実」の続編が今回、「不都合な真実2:放置された地球」として制作された。同映画が第30回東京国際映画祭のクロージング作品に選ばれたほか、17日から封切られることから、今回の来日が実現した。

 

 ゴア氏は、トランプ大統領がパリ協定から離脱を表明したことについて、「それでも米国内の対策は進む」と語った。6日から開く国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)で、米国の企業や州、学校などが「We Are Still In」のキャンペーンを展開することなどを念頭に置いての発言とみられる。

 

 一方、日本が国内外で石炭火力発電所の建設を増やしていることについては、「日本国民の税金を汚い石炭に投入するのはやめるべきだ」と明確に批判。環境負荷を抑えた次世代型を建設することについては、「効率がいいと言っても5%程度で、やはり温暖化を悪化させる」とばっさりと否定した。

 

 GOA2キャプチャ

 

 特に、日本政府が国際協力銀行などの資金や保証を民間金融機関に付与して、官民連携の「日の丸連合」で、インドネシアなどの途上国で石炭火力建設を展開していることに懸念を示した。ゴア氏は、中国が従来の石炭エネルギーから再生可能エネルギーに転換し、市場の主導権把握を狙っている、と指摘した上で、「世界から悪く見られることは、今の日本にとって得策だろうか」と日本の官民が抱える「不都合」を、問いかけた。

 

 米国のパリ協定からの離脱の影響については、「他国が追随するのを恐れたが、そうならなかった」と述べ、米国抜きでも協定の意義は失われていないと強調した。そのうえで、米国でも協定を支持する国民が多数派だとして、温暖化対策に否定的なトランプ氏の発言は「汚染する側の人たちに配慮した政治的なものではないか」との見解を示した。

 

 また、トランプ氏の発言にかかわらず、「We Are Still In」への署名機関が2500を超えていることなどを踏まえて、「多くの州や市、企業などが独自にパリ協定を守ると約束しているとして、「私は楽観的だ。この戦いには勝てる」と話した。

http://digital.asahi.com/articles/ASKC27WP6KC2ULBJ01C.html

http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=73