HOME10.電力・エネルギー |千葉商科大学 「日本初の自然エネルギー100%大学」へ。2018年に全電力を、2020年に全エネルギーを、自前の太陽光発電や省エネでネットゼロに(RIEF) |

千葉商科大学 「日本初の自然エネルギー100%大学」へ。2018年に全電力を、2020年に全エネルギーを、自前の太陽光発電や省エネでネットゼロに(RIEF)

2017-11-14 16:14:02

chibashouka1キャプチャ

 

 千葉商科大学は、大学のキャンパスで消費するエネルギー量を100%自然エネルギーでまかなう「自然エネルギー100%大学」を実現する環境目標を設定した。まず、2018年度に電力量を100%自然エネルギーとし、2020年度には、ガスを含めたすべての消費エネルギーを自然エネルギーに転換する。日本の大学で自然エネルギー100%化を実現するのは初めてになる。

 

 千葉商科大学は千葉県市川市にキャンパスを持ち、学生定員数5900人(学部、大学院合計)と教職員数765人の社会科学系の大学。同大学は、千葉県野田市の所有地に、大学としては日本で一番大きい太陽光発電所(発電容量2.45MW)を保有し、2014年4月から発電した電力をFIT制度を使って東京電力に売電している。

 

 同発電所の年間発電量は2014年度の実績値で336.5万kWh。これは市川キャンパスでの消費電力の77%に相当する。100%化を実現するため、同発電所のレイアウトを変更し、新たに約1600枚のパネルを増設して、発電量を増大させる。また同時に、学内照明のLEDへの切り替えを進めているほか、空調などにもエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入、学生が主体となった省エネ活動を全学的に展開することで、2018年度の電力消費100%自然エネルギー化を達成する計画だ。

 

千葉商科大学の環境目標達成計画
千葉商科大学の環境目標達成計画

 

 今回の取り組みを推進するため、同大学は2016年5月に、地域に持続可能な恩恵をもたらす地産地消のエネルギービジネスを展開する「CUCエネルギー株式会社」を設立している。同社が大学に対して省エネ機器のリース事業等を行っているほか、地域社会でも自然エネルギーを売買するプラットフォームの設立や、省エネに関する包括的なサービスを地域に提供する事業の展開も想定している。また将来的には、大学が所在する東葛北総地域で盛んな畜産由来のバイオマス発電の導入なども構想にあるという。

 

 同大学では、今回の環境目標の設定と、自然エネルギー100%の実現を、自然エネルギー100%実現を推進している世界的なイニシアチブである「自然エネルギー100%プラットフォーム」に、日本の大学として初めて登録した。

 

 同大学の原科幸彦学長は、省エネと創エネには、従来の電力会社のような、大規模集中型エネルギー供給は不向きだ、と指摘、自然エネルギー運用に向く電力地産地消を「まず隗(かい)より始める。(大学という)事業所単位での実践例を示す」とコメントしている。

 

chibashouka3キャプチャ

 

  まCUCエネルギー社は、学生を学内インターンシップの形で受け入れる計画もある。プロジェクト推進に必要な金融機関との融資協議への学生の参加や、自然エネルギー発電事業の経理会計業務の実践などの機会を提供する「実践の場」となる。学生は省エネ意識を醸成しながら、環境ビジネスの実務機会を体験できる。

 

http://www.cuc.ac.jp/news/2017/i8qio0000002veox.html