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英加など、COP23で、CCS設備無しの石炭火力発電全廃を推進する国家連合立ち上げ宣言。20カ国と米2州も参加。日本は枠外(各紙)

2017-11-17 09:57:00

Canada1キャプチャ

 各紙の報道によると、英国とカナダの両政府は16日、ドイツ・ボンで開催中の国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)で、CO2排出量が多い石炭火力発電所からクリーンエネルギーへの移行を促す国家連合を立ち上げた、と発表した。参加国は現在、20カ国で、パリ協定から離脱を宣言している米国からも、ワシントン、オレゴンの2州が参加する。CO2を回収・貯留する設備がない従来型の石炭発電の速やかな全廃を目指す。

 (写真は、カナダのキャサリン・マッケナ環境相)

 国家連合には、英加のほかフランスやイタリア、メキシコなど合計25カ国・組織が参加する。日本は入っていない。トランプ米政権はパリ協定からの離脱宣言とともに、石炭など国内の化石燃料の利用促進を打ち出しているが、同政権の方針に反対するワシントンとオレゴンの2州が独自に参加を表明した。石炭廃絶の国家連合は、1年後のCOP24までに参加国・組織を50に伸ばす計画だ。

 石炭はCO2排出量が天然ガス火力発電の約2倍と多く、世界全体のCO2排出の約4割を占める。地球の気温上昇を産業革命前と比べ2℃以内に抑えるパリ協定の目標を達成するには、経済協力開発機構(OECD)加盟国は2030年までに石炭を全廃する必要があるとの試算もある。ただ、今回の宣言は、CCS(カーボン回収貯留)技術を併設する石炭火力は対象外とする意向という。

 新規石炭火力建設を進めている国では、中国が最大で、以下、インド、トルコ、インドネシア、ベトナムと続く。日本はその後に続き、先進国唯一の「石炭火力国」として上位にランクされている。http://rief-jp.org/ct4/74524

 一方、米国のリック・ペリーエネルギー長官は、途上国に対して、超々高臨界圧石炭火力発電所などの、比較的CO2排出量の少ない設備の普及を呼び掛けており、英加主導の国家連合と対立する形となっている。 英加はより現実的で、よりCO2削減効果の高いクリーンエネルギーへの移行を主導する方向を示したといえる。

 カナダのキャサリン・マッケナ環境・気候変動相は「石炭発電の時代は戻ってこない。われわれはもっと野心的にならなければならない」と指摘している。クレア・ペリー英気候変動・産業相も「世界が共通認識をもち、経済合理性の観点からも脱石炭を選ぶことが大切だ」と呼びかけた。

https://www.theglobeandmail.com/news/national/canada-us-at-odds-over-coal-power-at-un-climate-change-conference/article36931792/