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大規模修繕の「太陽」、イランで「カーボン和紙」を使った床暖房・太陽光事業で、経済特区に製販の合弁企業設立(各紙)

2017-11-29 22:25:40

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 各紙の報道によると、首都圏でマンションの大規模修繕工事や職人育成事業を手がける埼玉県さいたま市の株式会社「太陽」は、イランの経済特区に進出、日本の伝統と技術で開発した「カーボン和紙」を用いた床暖房の発熱体と、太陽光パネルを中東地域全体に販売する事業に乗り出す。

 

 日刊工業新聞が報じた。中東地域では寒暖差が大きいことなどから、床暖房需要が高い。効率的な床暖房の発熱体としてカーボン和紙を用いた熱シートの加工品「ヒートシーター」を販売する。カーボン和紙は、ミトミ(東京都昭島市)が開発したものを調達する。すでにミトミは、独自にUAEなどの進出し、床暖房用に販売を進めている。

 

 熱シート用のカーボン和紙はミトミ(東京都昭島市)から調達する。和紙とカーボンを組み合わせた特殊な繊維素材(CJP)を熱源に使用。薄さ(0.4mm)で、和紙のように軽くて、しかも電気を通し、すぐに発熱する。また、遠赤外線を効率よく室内に放射する効果もあるという。

 

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 太陽は、イランの経済特区であるケシュム島に、同国の政府系企業との折半出資で合弁子会社を設立した。工場では、日本から調達したシートに通電機能を取り付けるほか、防水加工も施す。3年以内に5億円以上の売上高を目指すという。

 

 合弁子会社は、資本金7000万円(日本円換算)。従業員はイラン人9人、日本人4人でスタートし、日本の原料と加工技術を使って低コストで高品質の製品を中東を中心に、ロシア、カナダなどにも販売する計画という。

 

 太陽は、首都圏でマンションの大規模修繕工事と職人育成事業を手がけている。2017年7月期売上高は約57億円。事業多角化の一環で床暖房と太陽光発電に着目し、イランでの低賃金と、経済特区の関税・法人税の免除などの利点を考慮し、製造・販売の合弁子会社を設立した。

 

 太陽光パネルは中国の大手パネルメーカーからOEM(相手先ブランド)供給を受け、中東地域に限定して販売、設計・施工、メンテナンスを行う。合弁子会社設立に先だって、太陽はイランのテヘラン大学と環境・エネルギー関連システムの共同開発などで協力覚書(MOU)を結んだ。今後の事業展開に同大学の知見も取り入れる考えだ。

 

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