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三菱マテリアルの子会社、三菱アルミニウムでも、長期間の品質データ改ざんが発覚。昨年11月に把握も公表せず。CSR報告書では「高度の品質管理」を強調(RIEF)。

2017-11-30 11:44:43

mitusbishi alumiキャプチャ

 

 子会社の品質データ改ざん問題が発覚した三菱マテリアルの別の子会社「三菱アルミニウム」でも、製品検査の際の品質データが改ざんされていたことがわかった。三菱アルミニウムは、データ改ざんを昨年11月に把握していたが、顧客への安全性確認が済んでいるとして、公表してこなかった。

 

 データ改ざんが行われていたのは、三菱アルミの静岡県裾野市にある富士製作所内の工場。2016年11月まで製造し、取引先2社に出荷していたアルミ板の品質データが、取引先と契約した品質水準に達していないにもかかわらず、複数の社員らの手で品質データを改ざんし、そのまま出荷していたという。改ざんの事実は、16年11月の社内調査で把握されていた。

 

 報道によると、その際、資料が残っていた過去数年分のデータについて改めて調査したところ、2社以外の14社に対しても、取引先が求める数値に満たない不正品を出荷していたことがわかった。この中にも品質データを改ざんした製品も含まれていたという。さらに改ざんはそれ以前から社内で認識されていたが、すぐにはなくならず、昨年まで続いていたことになる。

 

 親会社の三菱マテリアルは、23日に、子会社の三菱電線工業と三菱伸銅でデータ改ざんがあったことを公表したが、三菱アルミニウムの問題についてはこれまで不正の把握時期や内容を公表していなかった。

 

 三菱アルミニウムの濱地昭男社長は、10月に公表したCSR報告書の中で、品質マネジメントシステムを規格化した「ISO9001:2015年版」に移行し、全部門に品質管理の重要性と、経営者として「高度の品質管理に基づいた製品を提供し、社会的責任を果たしていく」と宣言している。

 

 また社全体のCSR体制については、全部署にCSR責任者・管理者・担当者を配置し、CSR委員会を中心とするCSR推進体制を築いている、と強調している。データ改ざんが発覚した富士製作所でも管理職をCSR講師として養成し、職場全体でコンプライアンス教育を進めていると説明している。しかし、同社のCSR報告書も実態を「改ざん」している、との批判が出そうだ。

 

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