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バイオジェット燃料、2020年の実用化へ一歩。ユーグレナと、長崎拠点の離島航空のオリエンタルエアブリッジが資本業務提携。離島振興でも協力(RIEF)

2017-12-01 00:16:14

bonbardiaキャプチャ

 

 バイオエネルギー開発のユーグレナは、バイオジェット燃料を実際の飛行機に供給する計画の実現のため、長崎を中心に離島を結ぶ航空路を展開しているオリエンタルエアブリッジ(ORC、長崎県大村市)と業務提携を発表した。ユーグレナは2020年にバイオジェット燃料の実用化を目指しており、同燃料をORCの航空機に提供する計画だ。

 

 ユーグレナ社は、2020年までにバイオジェット燃料を実用化するための計画を立て、すでに、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日空の各社・機関の協力体制で進めている。今年6月1日にはバイオジェット・ディーゼル燃料実証プラントの建設工事に着手し、2018年10月末にプラントの完成、2019年前半には実証プラントの稼働、というスケジュールを立てている。

 

建設中のバイオジェット燃料の実証プラント
建設中のバイオジェット燃料の実証プラント

 

 ORCは、開発されるバイオジェット燃料を自社の飛行機に使うことになる。現在、長崎空港を拠点として、長崎県内の離島(壱岐、五島福江、対馬)と九州(長崎、福岡)を結ぶ航空路線を運航している。また2017年10月29日から福岡・宮崎間で新規路線の運航を開始し、福岡・五島福江間路線でも増便している。各路線では全日空とのコードシェア(共同運航)になっている。


 今回の資本業務提携で、ユーグレナはORCが実施する第三者割当増資を引き受け、持ち分割合4.7%を取得する。これによってユーグレナはORCの第三位の株主となる。

 

 ユーグレナとORCは、今後、バイオジェット燃料によるフライトの実現に向けて協力するとともに、双方のブランドや商品・サービスのプロモーション、およびORC社が就航する長崎県離島地域の振興にも協力していくという。

 

右がユーグレナの出雲社長
右がユーグレナの出雲社長

 

 ユーグレナは、提携によって、バイオジェット燃料の供給ノウハウおよび利用実績の獲得、ORC顧客やORCの運航地域に対するユーグレナのブランド・商品の浸透、ならびに航空事業に対する知見の獲得を目指す。一方のORCは、バイオジェット燃料フライトを実現することでブランドイメージを向上させ、さらにユーグレナとの協力関係を踏まえて、自社のプロモーションを図ることが可能になる。

 

 ユーグレナの出雲充社長は「ミドリムシを離島の方々にも知ってもらい、ブランドと商品の浸透を図りたい」と述べている。ORCの日野昭社長は「バイオジェット燃料による環境配慮でブランドイメージを向上したい」と抱負を語っている。

http://www.euglena.jp/news/20171129-2/