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セブン-イレブン・ジャパン、58の再エネ・省エネ技術を盛り込んだモデル店舗オープン。店舗前には仏製の路面太陽光パネルを敷き詰め(RIEF)

2017-12-09 14:39:56

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  セブン-イレブン・ジャパンが、次世代型の省エネ店舗を開発、一般公開した。目玉は、店舗の前の路面にフランス製の太陽光発電パネルを敷き詰めた点。標準型店舗ならば、この路面太陽光発電で、店舗全体の約7.2%分の電力を賄えるという。このほか、純水素燃料電池発電、屋根太陽光発電、自動調光機能付き店頭看板など、お店での品ぞろえと同様、多彩な再エネ製品を取り込んだ。

 再エネ技術満載の店舗は、本社(東京都千代田区)に併設する直営店「セブン-イレブン千代田二番町店」。「ひとと環境に優しい店舗」のモデル店として今月7日に改装オープンした。事前に公募で導入した国内外38社が開発した58の再エネ技術を検証する場とした。同店で6カ月間の検証をした後、効果のある技術を選んで、全国のセブン-イレブン約2万店に順次導入していく方針だ。

 最大の目玉の路面型太陽光発電設備は、フランスの大手建設「ブイグ」グループ「コラス社」の『WATTWAY by Colas』という製品。路面に、高透過性、高耐久性のあるコーティングを施し た太陽光パネルを敷き詰めた。アジアで同社の製品を実用化したのは初めてという。敷設面積100 ㎡の場合、発電量は 約 1万kWh/年で、セブンの標準店の使用電力(2013年平均)で約 7.2%相当分を確保できるという。

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 また、岩谷産業が開発した純水素燃料電池は、水素ガス容器から配管を経由し、水素を燃料電池 に供給し、発電するシステム。 水素ボンベ 1 本あたり約 8 時間の発電が可能で、24 時間稼働した場合、約 1万2264kWh/年の発電が可能。(2013 年標準店舗使用電力の約 8.8%相当)

 店舗の屋根に搭載する高効率太陽光発電システムは、三井物産プラントシステムによるもので、現在すでにセブン‐イレブンの一部の店舗に導入している標準 パネルに比べて、発電能力が約 102%と、倍以上の高効性を誇る。 発電量は約 1万1424kWh/年 (同約 8.2%相当)

 おなじみのセブンの看板も自動調光機能付きとなった。三協立山、タテヤマアドバンス社の協力によるもので、店頭看板の照明に、タイマー管理の自動調光機能を付けた。その結果、段階的な調光が可能となり、使用電力量は約 286kWh/年削減 (同約 0.2%相当)ができる。

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  店内で商品を保管する冷凍・冷蔵庫もCO2 冷媒使用の設備に変換された。サンデン・リテールシステムと、中野冷機、パナソニックによるもので、冷凍・冷蔵の販売設備すべてをCO2冷媒に切り替えることで、オゾン削減、節電等の環境負荷低減効果を発揮する。また、固定式だった冷凍・冷蔵ケースの陳列棚を スライド式にすることで、作業効率を改善するなどの試みも導入している。

  今回の「再エネ化」によって、店舗全体の外部調達電力は従来比で約28%削減できるほか、対象設備に関連する作業時間についても1日当たり約5.5時間の節約になるという。

 古屋一樹社長は「地域とともに成長するために環境対策は必須の取り組み。働きやすい環境を整えれば従業員の接客も良くなり、来店増にもつながる」と、再エネ化が顧客獲得にもつながることを期待している。

http://www.sej.co.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/021/241/20171208niban.pdf