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日立キャピタル 香港の中間持ち株会社がグリーンボンド発行。ドル建て1億㌦分。香港市場での日系企業によるグリーンボンド発行は初めて。中国市場での再エネ等の資金調達(RIEF)

2017-12-16 12:00:40

hitachicapitalキャプチャ

 日立キャピタルは15日、同社の中国事業の財務面を統括するために香港に設立した中間持ち株会社の日立金融管理(中国:HCMC)が、1億㌦のグリーンボンドを香港市場で発行すると公表した。日系企業が同国市場でグリーンボンドを発行するのは初めて。資金使途は、中国市場での再エネ事業や水インフラ向け等に投じる予定。

 ボンドは期間5年。利息はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)3カ月物に0.88%を上乗せした水準。3カ月ごとに見直す。ボンドは、DNV GLビジネス・アシュアランスから、国際的な基準であるグリーンボンド原則(GBP)に適合しているとのセカンド・オピニオンを得た。みずほ証券アジアが引受主幹事を務めた。

 資金使途は、主に中国本土での3つの事業を対象とする。①再生可能エネルギー事業②サーキュラー・ エコノミー(循環型経済)③持続可能な水インフラーー。これら3事業への融資に充当する。ファイナンス対象地域での持続的な発展および人々の生活向上への貢献を目指すとしている。また中国の現地企業との関係を強化し、日立製作所グループが手掛ける省エネ製品の納入にもつなげたい、としている。

 香港金融発展局(FSDC)は2016年5月に「グリーンファイナンスの地域ハブとし ての香港」と題した報告を公表。政府や民間企業が発行するグリーンボンド普及のため、ベンチマークを設定するための施策を 打ち出すなどの市場づくりに力を入れている。

  日立キャピタルは、HCMCを11月に、中国事業での資金調達や出資などの財務統括機能を強化するコーポレートトレジャリーセンター(中間持株会社)として再編。今回のグリーンボンド発行は、中間持株会社移行後の機動的な資金調達活動の第1弾となる。

 日立キャピタルは、これまで中国市場では、江蘇省南京市や陝西省西安市などの地方政府系リース会社3社や病院向けファンドに対して、出資している。山東省青島市では現地パートナーとの合弁会社設立により都市鉄道のリース事業に参画している。また同省淄博市ではファンドへの出資を通じて病院経営を手掛けている。

  同社は、「今後も中国の社会・経済環境に対応した事業拡大を図ることで、同国の持続的な発展 および人々の生活向上に貢献していく」と強調している。また香港政府も香港市場を「グリーンファイナンスの地域ハブ」として位置付け、グリーンボンドの発行環境の整備に力を入れている。

http://www.hitachi-capital.co.jp/hcc/english/newsrelease/2017/20171215english.pdf

http://www.hitachi-capital.co.jp/hcc/newsrelease/2017/20170929.pdf