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原発の高レベル放射性廃棄物の最終廃棄物場説明会に、東電グループ会社の社員も動員か(?)内部告発で指摘(各紙)

2017-12-24 02:05:59

gomi1キャプチャ

 原子力発電環境整備機構(NUMO)による原発からの高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場候補地の住民説明会に、謝金を持ちかけて学生を動員していた問題が発覚したが、さらに東京電力グループの社員を参加者に紛れて動員していた可能性が浮上した。NUMOと東電はそれぞれ調査を実施すると説明している。

写真は、盛岡市で開いた「核ごみ最終処分場」の候補地選定に関する意見交換会)

 各紙の報道によると、11月下旬に、東京電力に社員を名乗る人物から「NUMOから東電のグループ会社に説明会への参加要請があった。要請に基づいて一般の参加者として出席するのは問題」という趣旨の内部通報があったという。

 通報を受け、東電は社員の参加実態について調査を始め、「速やかに結果をまとめたい」と説明しているという。一方、NUMOも、「学生に対する謝金提供だけではなく、電力関係者の参加に関しても問題とする外部からの指摘もある」と認めたうえで、「電力関係者の参加の実態等を調査チームを設けて調べる」と発表した。

NUMO1キャプチャ

 NUMOは、これまでも説明会に、「電力会社の関心のある社員が参加している」と認めたうえで、一般の参加者と見分けがつかない形では信頼性に影響を与えかねないとの指摘があったことから、11月下旬以降は、発言機会のない「関係者席」での参加に限定していると説明している。

 核のゴミをめぐる説明会では、すでに委託事業者が謝礼を示唆して学生を動員していたことが発覚している。学生動員の実態については、経産省の指示で現在、調査中で、年内に結果を取りまとめる予定。しかし、学生動員に加えて、原発擁護の電力会社社員の参加を一般参加者を装う形で認めていたとなると、説明会は、核のゴミ処理賛成を誘導する「ヤラセ説明会」であったことが確実になる。

 報道によると、NUMOが説明するように電力会社の関係者を「関係者席」だけに限定していたのかどうか不明で、「機構は電力会社などの利害関係者の参加を把握せず、他の参加者と見分けが付かないような運営をしていた」との指摘もある。機構は、利害関係者の出席者数などを調べるとしている。

 原発関係の説明会等では、これまでも再稼働をめぐる説明会で、電力会社社員が一般参加者と偽って参加し、賛成の意見表明を展開する事例が発覚している。世論を容易に誘導できるという稚拙な意図に基づくキャンペーンは、電力会社への不信感、原発への拒否感を高める結果しか招かないことに、そろそろ気づくべきだろう。

 http://www.numo.or.jp/press/201717122019.html