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小泉純一郎元首相ら、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を公表。通常国会への超党派での提出目指し、各政党に働きかける(各紙)

2018-01-10 19:25:21

genpatsuキャプチャ

 

 各紙の報道によると、脱原発運動に取り組む小泉純一郎元首相らは「「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(会長・吉原毅城南信用金庫顧問)とともに記者会見し、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表した。原発の即時停止を求める内容で、22日に開く通常国会への提出に向けて、幅広く与野党に法案への支持を呼びかけるという。

 

 小泉氏は同連盟の顧問でもある。法案は、日本のすべての原発を「即時廃止」することと、自然エネルギーへの全面転換の推進を求めている。また、日本のエネルギー構造の転換を実現することを掲げ、内閣に、首相を長とした推進会議の設置を求めている。

 

 会見には細川護熙元首相も同席した。提唱者の小泉氏は「原発ゼロは国民の多数の賛同を得て必ず実現させる」と強調した。連盟会長の吉原氏は、会見後、原発ゼロ政策の実現を訴える立憲民主党と意見交換する方針を明らかにした。超党派での提出を目指している。

 

 小泉氏は、「国会で議論が始まれば国民は目覚めるはずだ。われわれはあきらめず、粘り強く展開していく」と強調。また、原発ゼロに対する国民の熱気は「高まっている」とし、「自民党がこれまで政権を担当できたのは、国民の声を聞いてきたからだ。議員も選挙を控えている。いずれこの重大問題に気付くだろう。自民党に働きかけるより、その方(国民への呼び掛け)に向かって力を注いでいきたい」と述べ、自民党をけん制する発言をした。

  ◆     ◆     ◆

 原発ゼロ・自然エネルギー基本法案の要旨は次の通り。

 【目的】
 すべての原子力発電の廃止および自然エネルギーへの全面転換の促進を明らかにし、国等の責務と推進体制を定め、わが国のエネルギー構造の転換を実現する。

 【基本方針】
 運転されている原発を直ちに停止▽運転を停止している原発は今後一切稼働させない▽運転を停止した原発の具体的な廃炉計画を策定▽原発の新増設は認めない▽核燃料サイクル事業から撤退し、再処理工場の施設は廃止▽原発事業輸出を中止し、戦争被爆および原発重大事故の当事国として地球上の原発全廃の必要性を世界に発信▽太陽光、風力、水力、地熱など自然エネルギーの電力比率目標を、2030年までに50%以上、50年までに100%とする。

 【国の責務】
 すべての原発の廃止と自然エネルギーへの全面転換を実現するため、法制、財政、税制、金融上の措置などを講じる。

 【推進体制】
 内閣に、首相を長とし関係国務大臣で構成する原発ゼロ・自然エネルギー推進本部と有識者で構成する推進会議を設置する。