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梅の加工食品の廃液処理のバイオガスで発電。「梅の香漂う電気」かな(?) 住友重機械エンバイロメントが開発(RIEF)

2018-01-29 22:19:39

umechan1キャプチャ

 

 住友重機械工業100%出資の住友重機械エンバイロメント(東京)は、梅の実を使った加工食品の製造工程から出る廃液を、浄化処理する過程で発生するバイオガスで発電するバイオガス発電型嫌気性廃水処理システムを受注、開発した。梅干しなどの梅食品の処理後の廃水から電気を生み出すわけだ。

 

写真は、開発した嫌気処理設備「バイオインパクト」)

 

 発注先は、梅の産地として知られる和歌山県田辺市の中田食品(和歌山県田辺市)。同社は、梅を原料とした調味料製造のリーディングカンパニーとして知られている。梅の実の加工業は中小の企業が多く、梅調味廃液の処理費用の高さが課題となっている。

 

 今回、住友重機械エンバイロメントが開発した嫌気処理設備(商品名:バイオインパクト)は、従来の分散処理から集中処理化が可能となることで効率化が進むうえ、嫌気処理により従来の活性汚泥に比べ低コストでの処理が可能になるという。さらに、処理工程で発生するメタンガスを使って発電するというものだ。

 

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 発電所は、中田食品が2019年1月をめどに和歌山県西牟婁郡上富田町に「中田食品バイオガス発電所」を設置する。発電所の梅調味廃液処理量は日量20㎥で、発電機出力は360kW。年間発電量を一般家庭400世帯に相当する200万kW時(kWh)と見込む。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する。

 

 発電所のプラント設計、工事、試運転は住友重機が担当し、納入後の管理・運営は地元の宮惣ケミカル(和歌山県田辺市)が担当する。住友重機械エンバイロメントは食品、化学、紙パルプなどの工場の排水や、自治体の下水道処理など向けに、嫌気処理設備などを開発している。

 

http://www.shiev.shi.co.jp/topics/20180118/