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雑草を燃料にしたバイオメタンガス生産 名城大が発電システム開発。低コストで燃料の安定確保が魅力。2020年めどに実用化目指す(各紙)

2018-01-31 13:50:40

meijyouキャプチャ

 

 各紙の報道によると、名古屋市の名城大学持続可能イノベーション社会創成センターは、雑草から生産したメタンガスでガスエンジンを燃焼して発電する新たなシステムを開発した。

 

(写真は、雑草由来のバイオメタンガスを利用した発電・熱利用システム)

 

 日刊工業新聞が報道した。それによると、雑草を刈り取って土壌に混入、水を湛(たた)えた後にシートで覆う。酸素が無い状態で微生物発酵を促し、バイオメタンガスを発生させる仕組みという。発生・回収したガスの貯蔵や供給、エンジン始動などの自動化システムを開発し、2020年をめどに実用化を目指す、としている。

 

 雑草はどこででも安定的に調達できるメリットがあり、雑草ならではの利点として、材料の処理や分別が不要なことからコスト面で有利。一般的なバイオマスエネルギー生産では、原料を調整するための固液分離装置や炭化装置などの大規模な設備が必要だが、それらは不要になる。また、有害物質がほとんど発生しないという。

 

 雑草は水田のようなところで発酵させ、ガスを袋で吸収し、パイプでガスエンジンに供給する。エンジンはメタンガス向けに最適制御をかけており、供給電力は出力約800Wまで高められた。

 

さらにガスエンジンは、コージェネレーション(熱電併給)システムとしての活用も研究している。熱で湯を沸かして農業用ハウスに電気とともに供給してハウスの温度制御に活用、園芸作物などの栽培に生かす方針。

 

 同センターは従来、稲わら1kgから濃度60―70%で310㍑のバイオメタンガスを生産し、発電する技術を確立している。今回、この技術を雑草に応用した。燃料の適用範囲を広げることでバイオマスエネルギーの普及促進につなげたいとしている。

https://www.meijo-u.ac.jp/research/institute/innovation/

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00459935