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世界最大の洋上風力発電設備、建設開始。英国の北海沖。174機の風力発電機。総発電容量は1.2GW、英国の100万世帯の家庭に電力を供給.2020年までに稼働(RIEF)

2018-02-06 23:08:39

 

  世界最大の洋上風力発電所の建設が、英国のヨークシャー州沖の北海海域で始まった。 デンマークのエネルギーØrsted (エルステッド:旧ドン・エネルギー)が事業主で、発電容量は1.2GW。2020年までに完成すると、100万世帯以上の英国の家庭に電力を供給できる。

 

 本格的な建設が始まったのは、英国沖のHornsea One プロジェクト。1月末、着床式風力発電機の基礎となる174本のモノパイルの設置工事が始まった。風力発電機を搭載する一本65m、直径最大8.1m、重さ800㌧のモノパイルを、新たに開発した専用運搬船が一度に4本を載せて、英ヨークシャー沖約120kmの海域まで運ぶ。

 

wind8キャプチャ

 

 407㎢の海域に設置される174 の風力発電機はSiemens製。支柱の高さ190m、翼の直径は164mという大規模発電機で、一機当たり 7MWの発電能力を持つ。発電した電力は海底ケーブルと沿岸からの地中ケーブルを経て、送配電網に接続される。使用されるケーブルの延長は900kmに達するという。

 

 Hornsea プロジェクトは今回、建設が始まったOneは第一歩に過ぎない。続いて、発電容量1.8GWのTwo、さらに同1~1.2GWのTreeが3段階で計画されている。3段階のすべてが完成すると、発電容量は4GW以上の超大規模風力発電施設となる。400万人規模の電力を確保できることになる。

 

 現在、洋上風力発電で最大の発電容量を誇るのは、同じ英国の「London Array」。発電容量は630MW(0.63GW)なので、今回のHornsea Oneはそれよりもほぼ倍の能力となる。

 

wind9キャプチャ

 

  プロジェクトのプログラム・マネジャーのDuncan Clark氏は「長年の計画段階を経て、ようやく洋上風力発電の建設ステージに入ったことは大変すばらしい。ここまでこぎ着けた仲間たちに感謝したい」と喜びのコメントを出した。

 

 欧州の北海海域では、安定した風況を得られることから、大規模洋上風力発電建設計画が相次いでいる。Hornseaは完成すると「世界一」の規模になるが、実はオランダが大陸側の北海海域で計画しているTenneTプロジェクトはもっと大規模だ。

 

Hornsea Oneの完成イメージ
  Hornsea Oneの完成イメージ

 

 TenneTは現在計画中の案が承認されると、約1万の風力発電機を海上に並べ、発電総量はHornseaのすべてのプロジェクトを合わせた4GWよりも、7.5倍も大きい30GW。2000万人の電力需要をまかなえるという。さらに100GWにまで増大する構想もある。欧州の再エネ投資は「本物」である。http://rief-jp.org/ct4/68939

 


 Ørsted はデンマークを本拠として、世界中で洋上、陸上の風力発電を展開している。「Nasdaq コペンハーゲン」に上場しており、2016年の売り上げは610億デンマーククローネ(約82億ユーロ=約1兆1000億円)。

 

 www.orsted.co.uk 

http://hornseaprojectone.co.uk/en/News/2018/01/Orsted-begins-offshore-construction-for-Hornsea-Project-One