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三菱マテリアル、また子会社で不正データ改ざん発覚。三菱アルミニウムなど。合計で不正子会社は5社に。組織のガバナンスの無機能性を露呈(各紙)

2018-02-09 19:22:13

mitubishimate1キャプチャ

 

  三菱マテリアルは8日、グループの子会社3社で製品の検査データを改竄する新たな不正を確認したと発表した。これにより不正が判明した子会社は昨年11月に発覚した三菱電線と三菱伸銅の2社に加えて、合計5社に増えた。三菱マテリアルは、昨年12月に最初の2子会社の不正を検証した特別調査委員会の報告書を発表し、担当役員を更迭している。

 

写真は、新たな不正発覚で謝罪する三菱マテリアルの竹内章社長(左)と、三菱アルミニウムの浜地昭男社長)

 

 三菱マテリアルは、昨年11月に最初の2社での不正なデータ書き換えが発覚した際、書面で他の子会社についても不正がないかを調査したというが、結果的に見逃した形だ。新たに不正が発覚した3社は、航空機やスマートフォンなどに使うアルミニウム製品を手掛ける三菱アルミニウム(東京)、立花金属工業(大阪市)と自動車部品を製造するダイヤメット(新潟市)。いずれも顧客が求める規格から外れた製品のデータを書き換えるなどしていた。

 

 三菱アルミは自社の富士製作所(静岡県裾野市)から不正な製品を115社に、立花金属は養老工場(岐阜県養老町)から307社にそれぞれ出荷していた。三菱アルミと立花金属は「過去に起こした別の品質不正問題の対策を取った」との理由で、昨年11月の社内調査の対象から外れていた。

 

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 三菱アルミと、立花金属の両社から自発的な不正の申告はなく、昨年末から1月にかけての内部監査で判明した。ダイヤメットは社内調査で「製造現場から情報が上がらなかった」(同社)として不正を報告しなかったが、1月24日に内部通報で問題が発覚した。同社は自動車の変速機などに使われる部品について不正な製品を73社に出荷しており、安全性を検証している。

 

 記者会見で竹内章社長は「関係者に多大な迷惑をかけ、深くおわびする」と陳謝。一方で対応が後手に回ったことについては「その時々において適切な判断をしたつもりだ」と述べた。