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地域電力の熊本電力、仮想通貨のマイニング事業請負の新会社設立。電力は同電力が格安で提供。出力抑制時の余剰電力を活用。新たな収益源に(RIEF)

2018-02-22 17:58:14

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 地域新電力の熊本電力は、仮想通貨のマイニング事業を行う新会社OZ(オズ)マイニング(東京)を設立した。新会社は、顧客の注文に応じて、データセンター型やコンテナ型などのマイニング環境を提供する。マイニング用の電力は熊本電力が格安で供給。1kWh当たり10円台からの予定という。新電力では、東京のLooopがマイニング事業向け料金設定をするなど、マイニングで大量の電力を消費する仮想通貨事業は大口電力顧客と位置づける電力会社が増えつつある。

 

 ビットコインをはじめとする仮想通貨の価値は、すべての取引記録データをブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳に記録・更新されることで維持される。こうした記録には膨大なデータ処理が必要で、このデータ処理を事業者が請け負い、その報酬として仮想通貨を受け取る作業をマイニング(採掘)と呼ばれる。このマイニングのためには、複数のサーバを利用し、膨大な計算を行う必要があるため、多くの電力を消費する。新会社のオズマイニグはそうしたマイニング事業を代行するとともに、電力も熊本電力が格安で提供するとしている。

 

 熊本電力は熊本県内で、太陽光発電等の再生可能エネルギー発電の電力などを、個人や法人向けに販売している地域電力会社。最近は、再エネ発電の増加で、既存の電力網への接続問題が発生、出力抑制等を受ける可能性が高まっている。そこで、出力抑制の際の余剰電力をマイニングに振り向けることで、余剰電力の無駄を省くことができる、と説明している。

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 オズマイニングは東京に拠点を置く。同社が提供するマイニング事業は、データセンター型のほか、どこでも設置できるコンテナ型、大型のマイニングファームと呼ぶマイニング施設など。顧客の需要に応じて提供する。複数のマイニング顧客が協力して採掘するクラウド・マイニングも行う。熊本電力がこれらの施設に供給する電力は、供給エリアや季節などによって異なるが、1kWhたり10円台から、とする予定。

 

 新電力によるマイニング向け電力供給では、昨年10月からLooopが「マイニングフラット」と呼ぶ独自の料金メニューを設定している。これは定額制で、月額料金が10Aまたは1lVAにつき6170円で、250kWhまで利用できるなどの内容。https://looop.co.jp/

http://oz-mining.com/pr_20180220.pdf