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トクヤマと長州産業、太陽光発電の余剰電力を活用して水素製造装置を開発。再生エネの「地産地消」の効率化向上へ(各紙)

2018-02-23 15:12:22

tokuyamaキャプチャ

 

  化学メーカーのトクヤマは、太陽光発電システム開発の長州産業(山口・山陽小野田市)と共同で、太陽光発電の電力を使って水素を製造する新システムを開発した。アルカリ水溶液を利用した電気分解の電力を太陽光発電の余剰電力等でまかなうもので、製造した水素は小型水素ステーションに貯蔵・活用し、酸素は水産物の養殖などに利用する。

 

 太陽光発電の余剰電力や、電力グリッドの余剰電力を活用することで、低コストで効率的な電気分解が可能になる。水素製造システムは、3.7㎡のコンテナで、トクヤマが持つ塩水の電気分解による苛性ソーダの製造技術を応用する。これに、長州産業の太陽光発電の出力変動を制御するシステムを組み合わせる。

 

 開発したシステムは長州産業本社の工場敷地内に設置された。コンテナの中でアルカリ水電解法を使って水を電気分解し、水素と酸素を発生させる。高純度水素は長州産業が事業化した「SHiPS(シップス)」と呼ぶステーションに送り、82メガパスカルで高圧貯蔵する。

 

 電力は既設の太陽光パネルから50kWを供給、1時間当たり7㎥の水素を製造できるという。この水素量は、1日当たりで燃料電池車(FCV)1台に満充てんが可能という。今年夏まで検証作業を実施、その後、SHiPSで活用する。

 

 tokuyama2キャプチャ

 

 同システムを使えば、地域での太陽光発電から発電と同時に、常時水素を生産・貯蔵できることから、再エネ事業の効率性が高まるほか、地域でのエネルギーの「地産地消」を推進できる。水素製造コンテナは受注生産のため価格は今のところ未定だが、量産化すれば5000万円程度になるとの報道もある。

https://www.tokuyama.co.jp/company/index.html

http://www.cic-solar.jp/