関西電力 英独間の超高圧電流連系送電事業に参画。海外で収益源確保目指す(RIEF)
2018-03-01 22:45:58
関西電力は、イギリスとドイツを海底で結ぶ超高圧直流連系送電プロジェクト「ノイコネクト英独連系線」事業に参画する。同プロジェクトを推進しているプロジェクト開発会社の仏・ノイコネクトブリテン社の株式18.3%を3月中にも取得する。国際連系線への参画は日本の電力会社で初めて。
(写真は、別のプロジェクトの海底送電ケーブルの敷設工事の模様)
同プロジェクトは、イギリス東部とドイツ北部を結ぶ超高圧直流連系送電システムを構築し、両国間で電力を融通する送電事業。海底ケーブルの総延長は約670km、ケーブルの両端に交直変換所を設置する。送電容量は140万kW。
日本の電力会社が海外で国際連系線プロジェクトに参画するのは今回が初めて。同社は海外100%子会社のケーピック・ネザーランド社」を通じて、ノイコネクトブリテン社の株式を取得する。取得額は公表していない。ノイコ社は、仏インフラ投資会社のメリディアン社が今回のプロジェクト開発のために設立した。
関電以外の出資企業は、ドイツのアリアンツ・キャピタル・パートナーズ(26.2%)、グリーンエイジパワー(2.0%)、残りの過半の53.5%はメリディアンが保有する。
同プロジェクトは現在、計画段階であり、今後、事業実施の判断に必要となる調査や詳細設計および許認可取得等を実施し、事業開始は2022年以降の見込み。関電は、国内のこれまでの超高圧直流送電線敷設の実績を踏まえて、海外事業に乗り出すことになる。
建設される送電線は世界最長規模。日本の最長は徳島―和歌山間の約100km。欧州では、エネルギー安全保障の観点から国際連系線の整備が積極的に進められている。今回の計画への参画は、他の欧州地域、さらには他の海外市場での事業展開にもつながるステップになると期待される。
関電自身、国内の小売り電力市場が飽和状態であるほか、保有原発の再稼働にも時間がかかっており、収益確保のためにも、海外での送配電事業参画等による多様な収益源確保を目指す、としている。