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大和ハウス工業、パリ協定の目標達成に向け、再エネ電力100%の「RE100」、省エネ倍増の「EP100」の両イニシアティブに同時加盟。EP加盟は日本では初めて(RIEF)

2018-03-04 21:22:35

daiwa6キャプチャ

 

  大和ハウス工業は、エネルギー効率(省エネ)と再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブである「EP100」と「RE100」に、それぞれ加盟した。エネルギー生産性を倍増する「EP100」への日本企業の加盟は初めて。自社の使用電力を再エネ100%にする「RE100」は4社目。両「100イニシアティブ」への同時加盟は海外でも例がない。

 

 両イニシアティブは、パリ協定で国際合意した2℃目標達成を目指す企業ベースのグローバル活動だ。ともに英国のNGO、Climate Groupが各企業に呼び掛けて展開している。

 

「EP100」はエネルギー効率化を高めてエネルギー生産性を倍増させて、結果的にCO2排出量を削減することを国際公約するもの。大和ハウスは同社グループ事業活動全体でのエネルギー効率を、2015年比で2030年に1.5倍に、2040年には2倍にする目標を掲げる。

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 一方の「RE100」は企業の使用電力を、再エネ100%に切り替えることを目標に掲げる企業連合。大和ハウスは2030年までに、自社単独の使用電力量を上回る再エネの電力供給(売電)を図るとともに、2040年には同社グループ全体でも電力の100%再エネ化を達成する目標を掲げる。

 

 「RE100」への日本企業の加盟は、リコー、積水ハウス、アスクルに次いで4社目。Climate Groupは事業活動に関連する自動車の使用をすべて電気自動車に転換することを宣言する「EV100」イニシアティブも立ち上げている。こちらには、日本企業ではアスクルが参加している。

 

 すでに大和ハウスはグループの「環境長期ビジョン」に基づき、グループ・グローバル一体での環境経営を推進している。2016年度にはグループの事業活動におけるエネルギー効率(消費エネルギー量あたりの売上高)を2005年度比約2倍にまで改善している。

大和ハウス工業の電力使用量と再エネ電力の推移
大和ハウス工業の電力使用量と再エネ電力の推移

 

  また、太陽光発電などの再エネ事業も2007年から自社の未利用地を活用して実践している。現在の発電量は、227MW(2017年12月末時点)で、グループ全体の総電力使用量481GWhの約6割を自前でカバーするレベルにまで拡大している。

 

 同社は本業の住宅・建設分野でのエネルギー効率化と再エネ活用にも力を入れている。先月26日には、ビルの電力を外部の電力会社に依存せず、ビル独自の発電でまかなう「100%電力自給自足オフィス」の実証実験を、佐賀県の自社ビルで始めた。http://rief-jp.org/ct4/77187?ctid=72

 

 太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電力自立システムを構築し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を、日本で初めて実現した。エネルギー効率化も、通常のビルに比べて2倍以上の効率化を達成できるという。同社は、これらの省エネ・再エネ建設商品を、将来は全国販売することを目指している。

 

 これらのイニシアティブに積極的に参加、署名する企業は、特に欧米の機関投資家らのESG、サステナブル投資に際して、有力な投資先候補として評価されるメリットも得られる。

http://www.daiwahouse.com/about/release/house/20180301132143.html

https://www.theclimategroup.org/news/daiwa-house-joins-re100-and-ep100-commits-bold-climate-goals-2040