HOME |日揮、海外初の太陽光発電建設事業、ベトナムで受注、約50億円。東南アジアの再エネ市場での事業展開を目指す(各紙) |

日揮、海外初の太陽光発電建設事業、ベトナムで受注、約50億円。東南アジアの再エネ市場での事業展開を目指す(各紙)

2018-03-05 09:36:45

nikkiキャプチャ

 

 各紙の報道によると、日揮はベトナムで太陽光発電所の建設工事を現地の電力事業者「ザライ電力合弁会社」から受注した。出力は約5万kWでベトナムでは最大級の再エネ発電所になる見通し。受注額は50億円強で、日揮が海外で太陽光発電所建設を受注するのは今回が初めて。今回の案件を機に、東南アジア市場で年200億円規模の太陽光発電の受注を目指すとしている。

 

 日本経済新聞が報じた。今回、太陽光発電所を建設するのは、ベトナム南部のザライ省クロンパ地区。11月までに納入する。現地企業の入札に対して、中国やドイツの企業も応札、日揮がこれらに競り勝ったという。発電所の設計・資材調達・工事を請け負うほか、稼働後2年間の保守・運転も受託する方針。

 

 ベトナムはパリ協定で公約した温暖化目標達成のため、国内の再エネ事業の整備に力を入れている。2017年3月には、再エネ電力の固定価格買い取り制度(FIT)を導入した。今回の太陽光発電所も同制度の適用を受け、発電電力は固定価格で買い取りされる。同制度の適用対象となる大型太陽光発電所で設計・建設事業者が決まった案件としては2件目。

 

 現在のベトナムの電源は、石炭火力発電と水力発電が大半を占めている。ベトナム政府は再エネ発電の比率を高める方針で、太陽光発電を2030年まで原発12基分に相当する1200万kWにまで高める計画だ。今回のクロンパ地区での発電所以外にも、各地で新設案件計画が相次いでいるという。

 

 日揮はベトナム以外にも、フィリピンやマレーシア、インドネシアなどの東南アジアの再エネ市場を開拓しており、今後、太陽光発電の場合で年間4件(合計受注目標、約200億円)の成約を目指す、としている。同社は2010年にスペインで太陽熱発電事業へ参画したほか、2011年にはサウジアラビアでの太陽光発電実証事業に参加しているが、実際の実用機の建設を受注したのは今回が初めて。国内では、複数のメガソーラーを運営している。

 

 同社は資源価格に左右されにくい経営体質を目指して2017年7月、海外インフラの担当部署を新設している。長年、蓄積した幅広いエンジニアリング技術を生かし、国内での太陽光発電事業の設計・資材調達・建設のノウハウに基づく総合的な事業展開を海外市場でも広げていく方針だ。

http://www.jgc.com/jp/02_business/05_general/renewable_energy.html