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木質ペレット工場を併設した一貫プロセスの小規模バイオマス発電。宮崎・串間市に完成。輸入原料依存型発電とは「持続可能性」で違い(RIEF)

2018-03-25 12:53:14

miyazakiキャプチャ

 

   木質ペレット工場を併設した地域循環型の木質バイオマス発電所「大生(おおばえ)黒潮発電所」が2宮崎県串間市で完成、24日に竣工式を開いた。ペレット工場を併設し、地域産出の木材だけで発電する小規模バイオマス発電は国内では初めて。海外のパーム椰子殻(PKC)などの輸入燃料依存の大規模バイオマス発電とは違い、地域密着と持続可能性が売り物だ。

 

 発電所は地元の「くしま木質バイオマス会社」が運営事業体で、神戸市の洸陽電機が設計・施工を担当した。発電設備は、ドイツのブルクハルト製の小型高効率木質バイオマス熱電併給システムを10基、連結し、さらに米アクセスエナジー社製の温水バイナリー発電システムを1基、設置する。

 

 「くしま木質バイオマス」社は、洸陽電機、一般社団法人グリーンファイナンス推進機構、大王テクノ(串間市)、串間森林建設有限会社(同)、南国殖産(鹿児島市)が出資して設立した。

 

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 発電設備は海外製だが、燃料は国産、地元産に限定する。同地の豊富な森林から未利用材を年間、約1万9000㌧を買い入れ、利用する。発電量は1,940 kWで、一般家庭の約 4000世帯分の発電が可能。

 

 発電による排熱をバイナリー発電やペレット製造時の乾燥工程で有効活用できるため、工場全体の運用コストも低減できる。固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を九州電力に売電する。CO2削減効果は年間7478㌧を見込む。

 

 ペレット製造から発電までのプロセスをパッケージ化したことで、原木を安定調達でき、エネルギーと経済の循環を地域内で確立した。地元企業と連携した建設工事や雇用創出、林業の活性化により地域活性化効果を見込んでいる。

 

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  洸陽電機によると、同発電所のようなペレット工場を併設した熱電併給発電所は、今後同種の小規模木質バイオマス発電事業のモデルケースになるとしている。

 

http://www.koyoelec.com/news/release/20180315-2114.html