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原子力規制委員会、福島県内の低線量区域でのモニタリングポスト、2018年度から撤去開始。「正常化」アピールへ、廃炉本格化で事故リスク継続にもかかわらず(RIEF)

2018-03-26 23:54:03

monitaring1キャプチャ

 

   原子力規制委員会が福島県内の學校などに設置している放射線量を測定するモニタリングポストのうち、避難指示が出ている自治体を除いて、線量が低くなてちる地域の約2400 台を、2018年度から順次撤去、3年かけて取り除く計画であることがわかった。これに対して、地域住民や環境団体は、これから本格化する廃炉作業に伴う事故リスク等を無視した安易な対応だ、として、撤去決定の取り消しを求める要請を行った。

 

 委員会がモニタリングポストを撤去する基準は、国の除染基準である毎時0.23 マイクロシーベルト(1年間の平均で1時間当たりの空間線量)を下回る地点とし、撤去の理由は「線量に大きな変動がなく安定しているため、継続的な測定の必要性は低いと判断した」としている。0.23マイクロシーベルトは、除染の基準と同じ。

 

 モニタリングポストは、福島第一原発事故を受けて、福島県内の学校や保育園などを中心に、約3000台が設置されている。これらのうち現在も、避難指示が出ている自治体12市町村など以外の地域で、線量が継続的に低くなっている場所のものを撤去するという。



 規制委員会は去年12月、県内の各自治体から意見を聞いたところ、「児童や生徒、保護者の安心のため、除染で出た土壌の搬出が終わるまで設置を継続すべき(福島県)」や、「避難区域に隣接する地域では不安もあるので一律に撤去を進めることは反対(二本松市)」などの声が上がったという。

 

 環境NGOのFoEジャパンは、「福島原発事故の『廃炉』は今後数十年かかる見込みであり、その間の事故や天災などにより再び放射性物質が周辺に拡散する可能性は否定できない。事故7 年後の今でも、依然として広い範囲で除染土や除染ごみが仮置き場に仮置きされている。これらも自然災害、火災などで周辺に再拡散する可能性がある」と指摘、規制委の判断は安易で軽率と批判している。



 しかし、規制委は、今後、説明会を開き、地元の要望を踏まえて対応していく、としながらも、モニタリングポストの撤去方針は変更しない姿勢だ。原発事故を早く幕引きの方向に持っていきたいとの気持ちが伝わってくる感じだ。

 


 FoEやNPO 市民放射能監視センター(ちくりん舎)、福島老朽原発を考える会、風下の会 福島、 FoE Japan、 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、 放射能ゴミ焼却を考える福島連絡会、 ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクトの民間6団体は、規制委に対して、以下の要請書を提出した。http://www.foejapan.org/energy/fukushima/pdf/180323.pdf



 ① モニタリングポストの目的からすれば「線量に大きな変動がなく安定している」ことは撤去の理由にはならない。今回のモニタリングポスト撤去についての決定の撤回を求める。


 ② 帰還困難区域内で山火事の発生や産廃処分場における火災などが発生している。放射能を含む大気中粉じんの実態も県民にとって大きな関心事。大気中粉じん濃度測定のためのダストモニタ―のより広い範囲での設置を求める。


 ③広く住民からの意見の聴取を行うよう求める。

http://www.foejapan.org/energy/fukushima/180323.html

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180320/k10011372451000.html