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四国電力、伊方原発1号機の廃炉決定。安全対策を考慮すると原発は経済的に成り立たないことを立証。廃炉決定は東電福島第一原発を除いて、9基目(各紙)

2018-03-28 18:36:56

ikata1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、四国電力は27日の取締役会で、伊方原発〔愛媛県伊方街)の2号機(出力56.6万kW)を廃炉とすることを正式に決めた。同社では1号機についても廃炉をすでに決めており、3号機については16年に再稼動したが、昨年12月、広島高裁が運転停止を命じた仮処分が出て、運転停止中だ。

写真は、一番左が廃炉が決まった2号機)

 

 同社は廃炉決定を受けて、経済産業相に廃炉手続きの承認を申請した。5月に発電設備から外し、国が認可する計画に基づき、40年程度かけ除染や解体作業を進める。廃炉費用は400億円を見込みんでいる。このうち350億円はすでに引き当てている。

 

 1982年に稼動した2号機は、2022年には法律で定められた運転期間の40年に達する。原子力規制委員会の許可による「例外的延長」の申請をするには、新たに安全対策等が必要となり、多額の費用が必要になる。同社の取締役会では、費用をかけても採算が見込めないと判断した。

 

 追加的な安全対策には、2000億円近い費用が必要とみなされた。同原発は出力が小さいことから、それだけの追加資金をかけても、延長される20年の期間で回収できるか不明なことから、に運転延長を決めている原発に比べ出力が小さい。

 

ikataキャプチャ

 

 今回の廃炉判断は、安全対策を盛り込むと、原発の経済性が立ち行かないことが明確であることを再確認した形だ。逆にいうと、これまで、わが国での原発は、不十分な安全対策のままで操業してきたともいえる。

 

 福島第一原発の事故後に廃炉が決まったのは、福島第一原発の6基を除き、これで計9基目。伊方1号機は2016年に廃止となっており、四国では裁判で停止中の伊方3号機(出力89万kW)だけが残る形だ。

https://mainichi.jp/articles/20180327/k00/00m/040/120000c

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180327/k10011380241000.html