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東京ガス、ブロックチェーン技術を活用した再エネ電力の環境価値取引を目指し、スタートアップ企業のデジタルグリッド社に出資(RIEF)

2018-04-04 17:42:28

togasキャプチャ

  東京ガスは、ブロックチェーン技術*を活用した電力および環境価値の直接取引プラットフォーム事業等を行うデジタルグリッド社に出資した。東京ガスがスタートアップ企業に出資したのは初めて。出資額は公表していない。電力供給システムがこれまでの大規模集約型から、再エネ電力を軸とした自立分散型に変化することに対応する知見を得るとともに、東ガス自らが再エネ電力・環境価値の直接取引プラットフォーム事業に乗り出す可能性もある。

 

東ガスが出資したデジタルグリッドは、2017年10月に設立されたスタートアップ企業。環境省の2018年度モデル事業として、再エネによるCO2削減価値を、発電事業者と電力の消費者の間で直接取引するプラットフォームの実証事業を予定している。また今後は、各世帯に設置された太陽光発電の余剰電力を世帯間で直接取引するプラットフォームの提供も予定している。

 

 同社は、阿部力東大大学院工学系研究科特任教授が開発した電力システムのデジタルグリッドの普及を目指している。再エネで発電した電力を系統内でセル単位で細分化して識別可能なように情報化する仕組み。セルは地方単位や、市単位、工場単位、 家庭単位などに分かれる。電力を識別するには、連携点にアドレスを付与し、アドレス情報を含んだ電力情報を取引できるようにする。この識別化に、ブロックチェーン技術が応用できる。

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 東京ガスは、電力小売事業に参入しており、自前のガス供給とのセット販売で市場シェアを拡大しつつある。しかし、東電など既存の大手電力会社の送配電ネットワークを活用する電力サービスの提供だけでは、市場拡大に限界があることから、自立分散型ネットワークでの取引の可能性を探るとみられる。

   東ガスはグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」で「イノベーションの創出」を掲げており、スタートアップ企業、エネルギー関連のベンチャーキャピタル等への投資・協業を打ち出している。

 

http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20180329-01.html?ref=rss

http://www.digitalgrid.t.u-tokyo.ac.jp/assets/files/d-grid/about%20dGrid_20111213.pdf