HOME4.市場・運用 |福島第一原発敷地内で、フランス製の自動運転EVバス運行開始。廃炉作業の作業員向け、当面は同乗者付きだが、第二ステップでは無人化に(RIEF) |

福島第一原発敷地内で、フランス製の自動運転EVバス運行開始。廃炉作業の作業員向け、当面は同乗者付きだが、第二ステップでは無人化に(RIEF)

2018-04-19 01:10:24

tepcoEVキャプチャ

 

 東京電力は18日、福島第一原発での廃炉作業に従事する作業員向けに、自動運転の電気バス(EVバス)の運行を開始した。廃炉作業を円滑に進めると同時に、自動運転の実績を重ね、そのノウハウを地元自治体に提供することを目指すとしている。自動運転のEV実用化は国内初。EVの電源を再生可能エネルギー100%にすれば、廃炉作業への国民の支援も少しは高まるだろうが。

 

 バスはフランスのNAVYA社製の「ARMA」。自動運転ソフトウェアの開発も同社が担当した。輸入販売代理店は三井物産プラントシステム、バスの運行管理は地元のバス会社、メインテナンスも地元整備工場。さらに万一の場合の事故対応は、三井住友海上火災保険とMS&ADインターリスク総研が担当する。

 

 EVバスの愛称は「はまかぜe」。第一原発で働く社員や協力企業の従業員の投票で決まった。今回、導入したのは3台で、それぞれが3ルートを毎日走る。①入退域管理施設~登録センター系統(往復約2km) ②入退域管理施設~免震重要棟系統(往復約4km) ③入退域管理施設~高台系統(往復約5km)の各ルートだ。定員15人で最高時速18kmのノロノロ速度。

 

 自動運転なので、運転席やハンドルはない。当面は、オペレーターが同乗し、タッチパネル上の地図で行き先を押すなどの操作を担当する。第二ステップでは、廃炉作業者だけではなく、発電所の見学者にも開放する予定。さらに、第三ステップでは、オペレーターが同乗しない無人型に切り替え、第四ステップでは法整備に合わせて公道で走行し、浜通り地域の交通サービスに貢献するとしている。

 

 バスには、前後左右8カ所に光センサーがある。これらが、歩行者を感知するとバスは自然に徐行する。横断歩道を渡ろうとする人がいれば停止する。完全無人化すれば、これまでバス運転手1人当たりの被爆量 1~2mSv/年(2016年度)の改善につながると期待される。ただ、作業員自身の被爆線量が下がるわけではない。

 

 正式稼働に向けて実施したテスト走行時の試乗車へのアンケートによると、試乗により「とても安心」または「安心」 と感じる人が5割増加したという。

 

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/2018/images1/l180406_07-j.pdf