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カネカ、シースルー型と低反射カラー型の太陽電池を組み合わせた都市型独立電源システム開発。都内のビル建設現場の仮囲いの壁面に設置。ZEB化対応を目指す(RIEF)

2018-04-23 08:00:29

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 素材大手のカネカ(東京)は、ビル建設の工事現場の仮囲いの壁面を利用して、シースルー型太陽電池と低反射カラー太陽電池を組み合わせた都市型独立電源システムを開発、公開した。同システムは大成建設が東京・虎ノ門で手掛ける 気象庁虎ノ門庁舎(仮称)・港区立教育センター新築工事現場の仮囲い壁面に「工事期間限定」で設置された。

 

 (写真は、仮囲い壁面に設置された太陽光パネル。左が低反射カラー太陽電池、右がシースルー太陽電池)

 

 開発したシースルー型太陽電池は、発電容量170Wで半透明のガラス窓の様なので、発電中も作業現場の内外からの採光性と視認性が確保できる。一方の低反射カラー太陽電池は、多色のカラーバリエーションが可能で、今回は大成建設のコーポレートカラーをイメージした5色を採用した。

 

 同システムは、ゼロエネルギービル(ZEB)向けに開発したもので、蓄電機能も持ち、窓などの開口部での採光性を確保すると同時に、自由なカラー配色による高意匠性が売り物となる。また、太陽光発電は光の反射が周辺に影響を与える問題が指摘されているが、低反射機能で、都市部等の密集地での太陽光発電による光反射を抑制できる。「おしゃれで、気の利いたソーラー」というわけだ。

 

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 このため、都市部のビルだけでなく、戸建て住宅向けなどにも適している。ビル等の大きな構造物のZEB化には、壁面利用も重要で、さらに建築物デザイナーの意匠要求にも応える柔軟性が求めらえることから、カネカではこうした需要に対応できる独自の太陽電池製品と設計提案、工法提案を強化し、環境・エネルギー問題へのソリューションを提供していく、としている。

 

 開発した太陽電池は、シースルー型の仕様が、1枚当たり1200mm×988mm×11mm、30kg、開口率10%、発電量85W出力。低反射カラー型は一回り小さく、同じく1枚当たり、1000mm×300mm×69.5mm、5.5kg、17~21Wの出力。

 

 カネカの太陽光システムを敷設した虎ノ門のビル建設の建設主体は「鞆絵サイエンスパートナーズ」。PFI方式で建設されている。地上14階、地下2階で、2020年2月に完成予定。

 

http://www.kaneka.co.jp/service/news/nr20180419/

http://skyskysky.net/construction/202028.html