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環境省、タイでのプロジェクトでJCMクレジット発行。11件目。クレジット総量1万㌧を超す(RIEF)

2018-04-24 15:48:09

JCM3キャプチャ

 

 環境省は、日本とタイの間で二国間クレジット制度(JCM)による初めてのクレジットが発行された、と発表した。発行されたクレジット量は300㌧。日本政府はそのうち半分の151㌧を獲得した。残りの149㌧はタイ側が取得した。これでJCMでのクレジット発行量は11件、1万764㌧(うち日本の獲得分8930㌧)となった。

 

 JCMは、途上国へ日本川企業が温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等を提供し、同国の温暖化対策を支援することで、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献をクレジットとして評価する仕組み。発行したクレジットは相手国との間でシェアする。JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピアなど、現在、アジア。アフリカ諸国を中心に17カ国に達している。政府は、JCMからのクレジット量を2030年度までの累積で5,000万~1億㌧と見込んでいる。

 

 今回のプロジェクトは、タイのサムラットプラカーンにある金属加工・家具製造工場の屋根に、高効率太陽光電池モジュールを導入する事業。事業者はタイ側がSaiam Steel Internatinal 社で、日本側はパシフィックコンサルタンツとInterAct社。太陽光発電設備は、本社と工場の2ヶ所の屋根に設置された。合計994kWの発電出力で、発電した電力は同社の事業用に全量を自家消費する。

 

JCM2キャプチャ

 

 4月20日(日本時間同日)、バンコクで開いた合同委員会でJCMクレジットの発行が決定され、両国政府に対して、削減対象となったモニタリング期間の合計約15カ月分の発行クレジットが両国政府分として通知された。同プロジェクトによる温室効果ガスの削減量は年間491㌧、10年間の事業期間を通じた累積削減量は約4,900㌧になる見込み。

JCM1キャプチャ

 

 現在、日本政府がJCMのパートナー国としているのは、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ、フィリピンの17カ国。このうち、クレジットを発行した事業は、2016年5月のインドネシアの2件の案件を最初として、モンゴル、パラオ、ベトナム、などで実施している。

 

http://www.env.go.jp/press/105396.html

https://www.jcm.go.jp/projects/issues