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日本製鋼所、脱原発経営への切り替えで黒字転換に成功。18年3月期前期は4期ぶりに黒字転換。最終益107億円。 産業機械事業が貢献(各紙)

2018-05-15 20:21:37

nihonseikou2キャプチャ

 

 各紙の報道によると、日本製鋼所が4期ぶりに黒字転換した。「脱原発依存」を進めたことから、2018年3月期の連結決算は最終損益が107億円の黒字(17年同期は49億円の赤字)となった。原子力発電所の再稼働は一部で進むが、市場全体としては関連部材等の受注低迷が続いており、事業の主力を自動車向けの射出成型機など産業機械事業にシフトさせたことが功を奏した。

 

 同社は、以前は電力会社向けの原発関連の鉄鋼製品等が収益の柱となっていた。しかし、東日本大震災後に東京電力のほか全国の電力会社からの新規受注が激減した。同社はこうした市場の変化を受けて、事業全体を見直して脱原発化を進め、収益構造を変える努力を重ねてきた。

 

 その効果が出る形で、前期の売上高は2129億円と17年3月期比で微増だったものの、営業利益は73%増の213億円と大きく伸びた。車体の軽量化を進める自動車産業向けに樹脂製造機械など利益率が高い製品の販売が拡大した。また売上高営業利益率は10%と12年3月期以来6期ぶりに2ケタ桁台に乗せた。

 

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 同社では2019年3月期の純利益についても、前期比40%増の150億円を見込む。18年3月期は風力発電事業の在庫処分費など80億円の特別損失を計上したが、それがなくなる分、収益向上が見込まれるとしている。産業機械事業は好調な需要が続いていることから、19年度も増産体制を整え、収益の押し上げを見込んでいる。売上高は3%増の2200億円としている。

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