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低炭素経済への移行で、2030年までにグローバルで2400万人の新規雇用生まれる。化石燃料関連の雇用増を4倍上回る(RIEF)

2018-05-16 12:55:36

 

   国際労働機関(ILO)は、パリ協定に基づく温暖化対策の広まりで、2030年までに世界全体で2400万人の新規雇用が作り出される、との報告をまとめた。低炭素経済への移行に伴って、化石燃料関連事業で約600万人の雇用創出が見込まれるが、太陽光発電などの再生可能エネルギー関連事業や省エネルギー関連事業などで雇用増加はその4倍に達するという。

 

 一方で、温暖化の影響は労働者が暑さによるストレス増大や、疲労、発作などの症状の悪化は、これまでより広がるとしている。2030年までに、暑さストレスによって、労働者の病気増加を引き起こし、グローバルな労働時間が2%損失する経済損失が生じるという。

 

   ILO事務次長の Deborah Greenfield氏は、「グリーン経済で、数百万という人が貧困との闘いに打ち勝つことができるようになる。これは世界にとってまさにポジティブな機会獲得へのメッセージだ」と強調している。

 

ILO2キャプチャ

 

 地域によっては、低炭素社会への移行で、より大きな利益を得ることが期待されるところもある。たとえば、アジアと太平洋をはじめ、米国、欧州の各地域ではこの移行期に、他の地域よりも多くの利益を得る。各地域の雇用純増は2030年には、1400万人、300万人、200万人とそれぞれ増加する見通しだ。

 

ILO1キャプチャ

 

   ただ、地域による偏りも大きくなる見通しだ。中東やアフリカは、現在の化石燃料に依存する状況が継続すると、逆に2030年には若干の純減(失業増加)になるという。報告書の主要執筆者であるCatherine Saget氏は「これらの地域では低炭素社会に合わせる政策転換がとられれば、想定される失業増加や、マイナスの影響は相殺されるだろう」と推測している。

 

 この低炭素社会に向けた雇用面での「グリーン移行」にスムーズに適合できる人と、熟練不足で対応できない人のミスマッチは続くとしている。また、調査対象の多くの国では、再エネ・省エネ等の技術熟練技術の取得を環境・サステナビリティ政策として打ち出しているところは現状では極めて限られている。低炭素経済が生み出すプラスの機会を確実に実現できるかどうかは、各国の政策力にかかっている、としている。

https://www.ilo.org/weso-greening/#Intro-1

https://www.ilo.org/weso-greening/documents/WESO_Greening_EN_web2.pdf