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豪マッコーリー・グループのアカシア・リニューアブル、仏IDEOLと連携し、日本の海で浮体式洋上風力発電事業に進出。2023年にも建設開始(RIEF)

2018-06-20 13:24:28

 

  豪マッコーリーキャピタルの100%子会社であるアカシア・リニューアブルズ(東京)は、フランスの浮体式洋上風力発電の専門会社IDEOLとの間で、日本での商業用浮体式洋上風力発電施設を開発するための覚書を締結した。IDEOLが開発を進めている洋上風力施設のFloatgen(フロートジェン)の日本海域での建設を2023年にも始める予定という。

 

 両社が開発する海域名や規模等は現段階では開示されていない。

 

macori3キャプチャ

 

 浮体式洋上風力発電は、現在、主流となっている着床式風力発電に引き続き、次世代の風力発電と期待されている。特に日本では四方を海に囲まれていることから、広い海域に設置可能な浮体式の開発が急がれている。現在、戸田建設が長崎県・五島で独自の浮体式洋上風力発電施設建設事業を進めている。

 

 今回、アカシア社と連携し、日本市場に本格的な商業進出を目指すIDEOLは2010年にフランスマルセイユで設立されたスタートアップ企業。すでに、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と日立造船が北九州市沖で進める事業にも参画している。

 

覚書に調印する両社の代表
覚書に調印する両社の代表

 

 浮体式風力発電の課題は、文字通り、海洋に浮かぶ浮体の安定性とコストの低減にある。IDEOLの浮体は、中央部が開口している正方形リング形状(Damping Poolと呼ぶ)が特徴だ。同浮体は、安定性と発電システム全体のパフォーマンスの最適化に優れているとしている。また、コンクリート製でも鋼鉄製でも建設が可能で、コスト対応がし易い利点もある。

 

 IDEOLによると、同社の設備には、すべてのタイプの風力発電タービンの搭載が可能で、互換性に優れているほか、喫水深度は7~9mと浅く、水深35m以上の海域においての建設では、着床式と遜色のないコスト削減を実現できるとしている。IDEOLは昨年12月にフランスで始めた発電事業で、Vestasの風力発電施設を搭載した2MWのフロートジェンを開発、すでに電力網に送電している。


  アカシア・リニューアブルズは2014年、再生可能エネルギー事業の開発会社、RESジャパンとして東京に設立された。その後、2017年にマッコーリーキャピタルが全株式を取得し、アカシア・リニューアブルズに社名変更している。同社では今後、日本で浮体式風力発電の需要が拡大するとみて、親会社のマッコーリーキャピタルの資金支援を得て、事業主体として開発や資金調達を担う方針。


  フランスでは、 2030 年までに地中海と大西洋に3GW ずつ、合計6GWの浮体式洋上風力発電を建設する目標を掲げている。IDEOLの技術はその国家目標への貢献を目指している。

 

http://www.ideol-offshore.com/node/83

https://www.offshorewind.biz/2018/04/26/ideol-and-macquarie-agree-on-floating-wind-project-in-japan/