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日産自動車、出荷前の完成車の排出ガスデータ検査や燃費測定で、データ書き換え等不正が発生。昨年9月発覚の完成車不正検査の一環で判明(各紙)

2018-07-10 00:22:23

nissan1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、日産自動車は9日、九州以外の国内全車両製造5工場で、新車の出荷前に実施する排出ガスデータの検査や燃費測定試験で、データの書き換えなどを不正に行っていた、と発表した。排ガスデータの不正は、スバルで見つかったのと同じ状況だ。同日、確認した事実や調査結果等を国土交通省に報告した。日産では昨年も無資格者が完成検査を手掛ける不正が発覚しており、品質管理の姿勢が問われている。

 

 日産自動車によると、問題が起きたのは、同社の栃木工場、追浜工場、日産車体湘南、日産車体九州、オートワークス京都工場の5工場。201年以降、ノートなど19車種1171台分の測定データを改ざんしていたという。改ざんの内容は、「試験環境を逸脱した排出ガス・燃費測定試験を行なっていた」「測定値を書き換えて、検査報告書を作成していた」など。

 

 今回のデータ偽造は、2017年9月に発覚した不適切な完成検査に関する一連の調査のなかで明らかになった。調査によると、当該工場などでの抜き取り排気試験台数2187台中、全体の53.5%となる1171台でデータ書き換えや試験環境の逸脱等があったという。

 

 ただ同社は、信頼性の認められるログデータを再検証した結果、保安基準の適合性と型式としての排出ガスの平均値は、「GT-R」を除くすべての車種で諸元値を担保できていることを確認したとしている。燃費も同様に再検証した結果、すべての抜取検査対象車種が、燃費の諸元値を担保できているため、リコール(回収・修理)の必要は無いと説明している。

 

 調査対象はデータが確認できた13年4月から18年6月。完成検査問題を受け、自主点検を進める中で明らかになった。1171台には国内で販売する自動車の大半の車種が含まれている。国の保安基準は満たしているとしており、日産はリコール(回収・修理)の必要は無いと説明した。カタログで公表している燃費数値にも誤りはないという。いずれも不正があったデータを取り除き再検証した結果だとしている。

 

 9日に横浜市内で記者会見を開いた日産の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサーは「完成検査問題への再発防止に取り組むなか、こうした事案が起こり、お客様や関係者に深くおわび申し上げる」と述べた。

 

 国土交通省は同日、新たな不正の調査結果と再発防止策について、1カ月をメドに報告するよう日産に指示した。また他の自動車メーカーにも、同種の事例が無いかどうかの確認を求めた。

https://newsroom.nissan-global.com/releases/release-75b19d3a1fdacef505523031451e95a1-180709-03-j