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自社の再エネ電力100%達成のApple。中国でサプライヤーの再エネ電力利用促進のための投資ファンド立ち上げ。自社だけでなく、サプライチェーン全体での温暖化対策を徹底へ(RIEF)

2018-07-16 22:15:08

AppleChina1キャプチャ
 Appleは中国市場で展開する事業のサプライヤー企業の再生可能エネルギー調達を支援する「中国クリーンエネルギーファンド(CCEF)」を立ち上げた。今後4年間に3億㌦以上を投資し、1GW以上の発電力を開発する計画だ。Appleはグローバル事業で使用する自社電力をすでに100%クリーンな再エネ電力で調達を実現しており、新たな中国ファンドは、同社と取引するサプライチェーンの再エネ電力供給源となる見通し。
 
 (写真は、Appleがサプライヤー用の再エネ電力調達ファンドを立ち上げた中国の太陽光発電施設)
 
 Appleが立ち上げる投資ファンドCCEFは、ドイツ銀行系のDWSグループが管理し、DWSも一部出資する。共同出資するサプライヤー企業は、Catcher Technology、Solvay、Sunway Communicationなど10社。 ファンドの投資で発電される1GW強の電力は、一般家庭100万世帯分の年間消費量に相当する。
 
 Appleは今年4月、米国だけでなく、中国、英国、インドなど、世界43カ国におよぶ同社のグローバルな製造工場やデータセンター、オフィス、小売店店舗等で使用する電力を100%再生可能エネルギー電力に切り替えたと発表している。
中国での太陽光発電事業
中国での太陽光発電事業

 

 
 Appleは自社の再エネ化を推進する一方で、2015年に「Supplier Clean Energy Program」を立ち上げ、サプライヤーの再エネ化促進にも力を入れている。同プログラムに基づき、これまでに10カ国の23のサプライヤー企業が、Apple用に供給する製品の製造工程を100%再エネ化を実現している。
 
 しかし、中小のサプライヤーの場合、再エネ電力を確実に確保するのが容易ではないケースが多い。このため、Appleは同社のサプライヤー企業の再エネ比率アップをさらに拡大するために、自前の再エネ電力を確保することを目的とした投資ファンドを立ち上げたわけだ。
 
 Appleは現在、世界中で25の再エネ事業を運営している。総発電量は626MWで、そのうち太陽光発電の286MW分は2017年中に送電網に接続を果たしている。これ以外に建設中の事業が15件以上ある。現在、計画中のものを含めてすべてが完成すると、11カ国で1.4GW以上の再エネ電力を供給する能力を有することになる。
 
 今回の中国で立ち上げたクリーンエネファンドのCCEFについて、Appleの環境・政策・社会イニシアティブ担当副社長のリサ・ジャクソン氏(元EPA長官)は、「今回、気候変動問題へのチャレンジを高めようという企業と、一緒に活動できることを誇りに思う。多くのサプライヤーが参加してくれたことを歓迎するとともに、CCEFが、あらゆる規模の企業が地球にプラスの影響を果たすためのモデルになることを期待している」と述べている。

 

   日本企業では、Appleに半導体パッケージ関連製品を供給しているイビデンが、同社向け製品の製造工程で100%再エネ100%を実現している。またAppleのサプライヤー向けに、日本の新電力会社の第二電力(大阪)をパートナーとして、300基以上の屋上太陽光発電システムを設置する計画を進めている。年間の発電量は18000MWhで、一般家庭3000戸分の電力を供給できる予定。
 
 Appleと共同でCCEFを立ち上げたサプライヤー企業
 
  • Catcher Technology
  • Compal Electronics
  • Corning Incorporated
  • Golden Arrow
  • Jabil
  • Luxshare-ICT
  • Pegatron
  • Solvay
  • Sunway Communication
  • Wistron
 

https://www.apple.com/uk/newsroom/2018/07/apple-launches-new-clean-energy-fund-in-china/