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品質管理の認証作業で、ISO認証機関ロイド・レジスター・クオリティ・アシュアランス(LRQA)が不正、との報道に、同社が反論コメント(各紙)

2018-07-25 07:04:29

Lyodsキャプチャ

 

   品質管理の仕組みを定める規格の認証審査で、無資格審査員を動員したり、報告書の不備を放置していた、と報道された英国の「ロイド・レジスター・クオリティ・アシュアランス・リミテッド(LRQA)」日本支店は、①一時、審査員一名の経歴不十分の指摘を受けたが、その後、資格の有効性が確認された②意図的な不正を行っていたわけではないーーとの反論を公表した。

 

 朝日新聞の報道による。それによると、同社は昨年、航空・宇宙関連企業3社から依頼を受け、品質管理の仕組みを定めるISO9001に、航空宇宙産業で必要な項目を追加した規格JISQ9100に関する審査を実施した。http://rief-jp.org/?p=81225&preview=true

 

 その際、複数の韓国人審査員が審査を担当したが、経歴が不十分で無資格だったり、所定の訓練を受けていなかった人物が含まれていたと指摘を受けた。また審査員がまとめた報告書が適正かどうかをチェックする工程を省略した不十分な審査も複数見つかった、としている。

 

 朝日新聞は入手した内部資料において、LRQAの日本支店の代表者(当時)はこうした審査の手続きが不十分なまま、依頼を受けた企業に認証文書を発行していたことを、了承していたとしている。

 

 こうした報道内容に対して、LRQAは「今回の報道以前に、JAB(日本適合性認定協会)より昨年10月の審査の際に指摘を受け、自社で必要な事実関係の調査を行い、それを踏まえてJABに対して対応を説明してきた」と説明。 その結果、同年10月27日付けでJABから、JISQ9100の審査体制の不備(報告書のチェック工程の省略不備等)を理由に、JISQ9100 の一時停止通知を受けていた、としている。

 

 ただ、一時停止後に是正策を講じた結果、2018年4月25日に一時停止は解除され、その後、6月8日に実施された是正処置の有効性を確認するJAB審査で、一部是正処置の実施状況が不適合との指摘を受けた。このため、7月12日付けでJABからJISQ9100の認定取り消しの通知を受けた、としている。

 

 LRQAは、JABからJISQ9100の審査員の認証機関としての認定取り消しの処分を受けた、との報道については、LRQA側が自主的にJISQ9100 審査体制の維持が困難であると判断して撤退申し入れをしたもの、と朝日の報道に対して反論している。

 

 特に審査員の経歴問題では、「審査は航空宇宙産業界の審査員登録システムに則って正式に登録された有資格者により実施された。JAB審査で一名の審査員の経歴が不十分」との指摘を受けたが、IAQG(International Aerospace Quality Group)に追加確認の結果、審査資格の有効性が確認され、当該指摘は取り下げられている、としている。


 その後今年7月にJABからJISQ9100の認証取り消しの通知を受けた理由は、一部是正処置が十分に行われていないためで、「弊社が意図的な不正を行っていたという事実によるものではない」と否定、朝日の報道で引用されたJABによる表現の中に「悪質性」との言葉が使われたことについては、「JAB報告書及び判定通知にそのような表現は使われていない」としている。

http://www.lrqa.or.jp/news/2018/2018-07-lrqajp-news-02.aspx