HOME |Appleなど「RE100」署名企業が、共同で再生可能エネルギー発電事業に取り組み。再エネ100%達成のための電力を自ら確保。電力市場での競争力も向上。日本企業もどうですか?(RIEF) |

Appleなど「RE100」署名企業が、共同で再生可能エネルギー発電事業に取り組み。再エネ100%達成のための電力を自ら確保。電力市場での競争力も向上。日本企業もどうですか?(RIEF)

2018-08-18 21:57:00

Apple1キャプチャ

 

 再生エネルギー100%転換を宣言した「RE100」署名企業が、共同で自らの再エネ電力確保に動き出した。署名企業のAppleと、電子商取引のEtsy、再保険会社のSwiss Reの3社に、デジタル・プラットフォーム提供のプロバイダーのAkamaiの4社。米国内に二つの大型の太陽光発電所と風力発電所の290MWを建設し、一般家庭7万4000世帯向けの電力を生み出すという。

 

 (写真は、Appleが建設した太陽光発電事業所)

 

 今回の再エネ電力共同開発事業は、Appleが主導して、米国のイリノイ州とバージニア州に建設する。Etsy、Swiss Re、Akamaiはそれらの発電所で発電される再エネ電力を長期契約(PPA)で確保する予定だ。AppleもEtsy、Swiss Reの3社はRE100に署名している。

 

 RE100署名企業は長期契約で再エネ電力を確保するか、自ら署名に見合う再エネ100%の目標を達成するかの選択が必要になる。今回、3社は後者の選択をしたわけだ。

 

 RE100の代表、Sam Kimmins氏は「素晴らしい取り組みだ。将来を見据える企業同士の協力によって、再エネ資源を新たに開発する動きだ。再エネ電力を購入するためのパートナーを形成することで、これらのRE100企業は電力市場で競争力を高めることができる。さらに企業が低コストでクリーンな電力へのアクセスをあらゆる市場で求めているというメッセージを市場に送ることで、電力会社の再エネ電力確保を後押しするだろう」と述べている。

 

Apple3キャプチャ

 

 グループを先導する形のAppleは今年の初めにすでにグループで使用する電力をすべて再エネ電力化した。現在は、同グループのサプライチェーンにも再エネ電力切り替えを促進する活動を展開している。

 

 Apple の環境・政策・社会イニシアティブ担当の副社長、Lisa Jackson(元EPA長官)は、「Appleは世界全体でのオペレーションで再エネ100%を達成したことを誇りに思う。さらに他の企業や機関がよりグリーンな電力に切り替える先導役を進めたい。今回の取り組みは、どんな企業でも気候変動の解決に取り組めることを示すものだ」と指摘している。

 

 自ら再エネ電力開発に参加したSwiss Reの北米の天候・エネルギー部門担当のBrian Beebe氏は「われわれ保険業は、気候リスクを回避する部門のリーダーとして、自らのカーボン・フットプリントを減らすとともに、再エネ拡大の支援を目指している。今回の開発協力に参加することは、そうした点でも有益だ」と述べている。

 

Apple2キャプチャ

 

 Etsyの最高財務責任者(CFO)のRachel Glaser氏は「今回のプロジェクトはわれわれがRE100を目指す目標の達成に役立つ。小規模な企業にとっても、こうしたプロジェクトに参加することで再エネ電力確保が容易になる」と意義を強調している。

 

 Bloomberg NEFの最新の調査によると、今年7月末までのグローバル企業による再エネ電力の調達量の実績は7.2GW。昨年1年間の購入量の5.4GWをすでに33%上回った。RE100に署名した企業は世界で140社に達し、これらの署名企業は、実際にRE100%の目標達成ヲ実現するために必要なクリーンエネルギー電力量は、2030 年には197TWhに上るという。http://rief-jp.org/ct4/81792

 

https://www.apple.com/newsroom/