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自動小銃で有名なロシア・カラシニコフ社、電気自動車を発表。レトロな旧ソ連調で、 「米テスラに対抗」と意気込む(RIEF)

2018-08-28 16:21:59

Kalashnikovキャプチャ

   自動小銃で有名なロシアの製造メーカー、カラシニコフ(Kalashinikov)が、新型電気自動車(EV)を開発、話題を集めている。「CV-1」と名づけられたEVのデザインは、近未来を象徴するEVのイメージよりも、旧ソ連時代のレトロなイメージ。同社では、イーロン・マスク氏率いる米テスラに対抗できるとし、グローバルな販売を目指すとしているという。

 (写真は、カラシニコフ社が世に問うEV。結構、カワイイ感じ)

 

 カラシニコフ社は、自動小銃「AK-47」のメーカーとして知られる。劣悪な環境下でも操作性が高く、世界の軍隊やテロリスト、武装勢力の兵士に「もっとも信頼される銃」として有名だ。現在も、武器商品は同社の主力製品だ。だが、最近は、武器だけではなく、モーターボートなど民生用製品のほか、最近では衣料品部門を設置、傘やスマートフォン向けカバーといった日用品にも手を伸ばしている。

 

 今回、同社は、モスクワ近郊で行われた軍事見本市「Army 2018」で新開発のCV-1を披露した。デザインは、1970年代の旧ソ連時代のハッチバック車をモデルとした淡いブルーな色のデザイン。テスラ等の「最新鋭なEV」とのイメージとは真逆な感じ。だが、同社は革命的で最先端の「スーパーカー」と説明している。

 

Karashikovキャプチャ

 

 開発が完了すればCV-1の最高速度は、従来の自社製電気自動車の数倍に達し、1回の充電での航続距離は350km以上になるという。最大出力300馬力(hp)のモーターを搭載し、0~100km/h加速は6秒以下というロシア人好みのパワフルさを備えているという。同社はこれまでも「Ovum」というブランドのEVを開発しているが、性能はそれを大きく上回るという。ただ今回、公開されたのは初期段階のプロトタイプのため、販売価格などの詳細な情報は明らかにされなかった。

 

 英BBCなどは、今回のEV開発については、ロシア国内でも賛否が分かれている、と伝えている。同社のフェイスブックには、ソーシャルメディアの利用者が同社の「テスラへの挑戦」について寄せたコメントが紹介されている。特徴のレトロなデザインについても、「おかしなゾンビのよう」という意見から「かっこいい」という称賛まで、様々。

 

カラシニコフの電動バイク
カラシニコフの電動バイク

 

 同時に、電動バイクも公開した。一般向けの「UM-1」と、軍事用の「SM-1」の2種類。UM-1の最高時速は100kmで、モーターの出力は15kW。リチウムイオンバッテリーとリチウムリン酸鉄バッテリーを搭載しており、走行可能距離は150km。なお、モデル名の「UM」は「Urban Moto」の略。

 

 軍事用の「SM-1」は最高時速が90kmで、走行可能距離は150km。バッテリーの種類は一般向けと同じようだが、水冷式のモーターを採用しているという。SM-1はロシア国防省に納品される見通し。このほか、カラシニコフはバギータイプのEV「UV-4」なども発表している。

 

UAEの企業への電動バイク等の販売協定の締結
UAEの投資会社との電動バイク等の販売協定の締結

 

 電動バイクと既存のEVのOvum等については、アラブ首長国連邦(UAE)の投資会社であるMawarid HoldingとUAEとの3者で覚書を結び、UAEに供給することを発表した。

 

 カラシニコフ社には、自動小銃や兵器を開発・販売するよりも、EVや電動バイクのほうが儲かることを、実証してもらいたい。

 

https://kalashnikov.com/en/product/

https://kalashnikov.media/article/technology/kontsern-kalashnikov-budet-postavlyat-elektrotransport-v-oae

https://www.bbc.com/news/world-europe-45292028