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相次ぐグリーンボンド発行。ANAホールディングスが、航空会社で世界初となるグリーンボンド100億円発行へ。パイロット等人材養成のトレーニングセンターの建設資金に充当(RIEF)

2018-09-28 17:43:21

ANA1キャプチャ

 

 ANAホールディングスは、航空会社として世界で初めてとなるグリーンボンドを発行する。発行規模は100億円、期間10年。10月に発行する。資金使途は、東京都大田区に建設中の訓練施設「総合トレーニングセンター(仮称)」の建設資金の一部に充当する。 同施設は太陽光発電、LED、屋上緑化等を導入したグリーンビルディングになる。格付投資情報センター(R&I)がグリーンボンドアセスメントで最上位のGA1の予備評価と、セカンド・オピニオンの両方を付与した。

 

 (写真は、グリーンボンドの資金使途先となる建設中のトレーニングセンターの完成予想図)

 

ANAはESG経営を中核に据えた「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」を今年2月に公表している。同戦略期間での経営の重要課題(マテリアリティ)として、「環境」「人権」「ダイバーシティ&インクルージョン」「地域創生」の4項目を掲げており、今回のグリーンボンド発行もそうしたESG戦略の一つと位置づけている。

 

 資金使途対象となる「総合トレーニングセンター」は、敷地面接約3万3000㎡、地上8階建て。鹿島建設の設計・施工で現在建設中。2020年3月の完成予定。パイロット養成用に、悪天候や機体不具合時を想定したシュミレーションができるフルフライトシュミレーターや、客室乗務員用には、異常時の対応を実務訓練できる可動式機体機器のモーションモックアップなどを導入する予定。

 

ANA2キャプチャ

 

 環境面での配慮は、太陽光発電、LED等のほか、高断熱・高気密ペアガラス、屋上緑化、自然換気、高効率熱源機器、ビルエネルギーマネジメントシステム等を導入する。東京都建築物環境計画書制度の省エネルギー性能の指標であるERR (Energy Reduction Ratio)の水準が33%と高い(3段階中最も高い段階3)ほか、環境建物を認証するCASBEE(自己評価)でAランクの性能となっている。

 

 またセンターの建設工事に際しても、騒音・振動、光害などによる周年地域への悪影響を減少させる対策を取り入れ、設計・施工の鹿島建設からANAに定期的な報告がなされる仕組みを取り入れたという。

 

 こうした点を踏まえて、R&IはANAのグリーンボンドの資金使途が、環境問題の解決に資する事業に投資される程度が非常に高いとして、最上位のGA1(予備評価)を付与した。今後、実際のボンドの発行内容等を踏まえて、本評価を行なう。セカンド・オピニオンについては、市場基準のグリーンボンド原則(GBP)等に適合しているとの評価をした。

 

 グリーンボンド発行の主幹事は、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券の3社。このうち野村はグリーンボンドフレームワークの策定やセカンド・オピニオン取得の助言等を行うGreen Bond Structuring Agentを兼務する。

 

https://www.ana.co.jp/group/pr/201809/20180928-2.html