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大王製紙、100億円のグリーボンドを月内発行へ。古紙の再利用事業と、廃液原料のバイオマス発電事業に充当(RIEF)

2018-10-01 21:15:29

daiouseishi1キャプチャ

 

 大王製紙は1日、ビニール等が付着して再利用が困難な古紙の再処理事業と、パルプ製造で生じる廃液を原料としたバイオマス発電事業を展開するため、約100億円のグリーンボンドを今月中に発行すると発表した。国内の製紙会社で初のグリーンボンド発行となる。

 

 (写真は、新設予定のバイオマス発電設備の完成予想図)

 

 発行するグリーンボンドの償還期間は未定としている。発行日までに投資家等の反応を見て決めるとみられる。セカンド・オピニオンはノルウェー系のDNV GLビジネス・ アシュアランス・ジャパンが付与した。主幹事は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と大和証券が務め、このうち三菱UFJモルガンはグリーンボンド・ストラクチャリング・エージェントも務める。

 

 グリーンボンドの資金使途となる2つのグリーンプロジェクトのうち、古紙再処理事業は、古紙のうち未選別でビニールなどが付着した古紙でこれまで再利用が困難とされてきたもの。この「難処理古紙」を段ボール原紙等の原料として再利用する設備を新設するとともに、既存設備も改造する。

 

 この再利用工程で発生するビニール等の付属廃棄物を焼却し、 その熱エネルギーを発電及び紙の製造工程に活用するという。この過程で、廃棄物量と、CO2排出量の減少がそれぞれ見込める。年間約14万㌧の難処理古紙を再利用する計画という。

 

 もう一方のバイオマス発電は、パルプ製造工程で発生する廃液である「黒液(リグニン)」を100%燃料とするバイオマスボイラーを新設する。発電規模は約60MWの見通し。

 

 両事業とも同社の三島工場に施設を整備する。総事業費は古紙処理が約160億円、バイオマスボイラーが約210億円。発行するグリーンボンドは両事業の投資額の一部に充当する。

 

 同社は 2018年度~2020年度の「第3次中期事業計画」における主要戦略の一部として①大王製紙の強みを活かした製紙事業の生産構造改革②持続的成⻑のための基盤構築ーーを盛り込んでおり、今回の2つのグリーンプロジェクトはその具体策と位置付けている。

 

http://www.daio-paper.co.jp/news/2018/pdf/n181001_1.pdf