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大阪ガス インドネシア・ジャカルタで、交通渋滞による大気汚染を浄化する実証事業に着手。自動車排ガスからのNOxを70%吸収目指す(RIEF)

2018-10-19 16:18:47

daigasuキャプチャ

 

   大阪ガスは、交通渋滞による大気汚染が激化するインドネシアの首都ジャカルタで、高活性炭素繊維(ACF)を活用した大気浄化の実証事業を開始した。渋滞する自動車から排出される窒素酸化物(NOx)を吸収除去するACFを沿道沿い50mの区間に100台設置し、除去状況を検証する。1年間の検証後、実用化を目指すとしている。

 事業は大阪ガスの100%子会社の大阪ガスエンジニアリング(OGE、大阪市中央区)が実施する。事業は国際協力機構(JICA)の「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」に採択されている。ACFユニットはすでに設置され、来年11月まで実証事業を続ける。

 

 ジャカルタ中心部では、呼吸器疾患の原因となるNOxの濃度が世界保健機構(WHO)のガイドラインの2倍近いレベルに達している。このため、13~14歳の児童のぜんそく患者率は日本国内平均の数倍という。

 

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 事業は、ジャカルタ南部の幹線国道沿いの総合病院前の沿道で実施するACFは、電気動力を用いず、自然風を利用し大気を浄化できるほか、水洗いや降雨によってNOx除去性能が容易に再生できるといった特徴があり、途上国の屋外での維持管理に適している。

 

 大阪ガスは日本国内でも、交通渋滞の激しい大阪市内などでACFユニットを実用化しており、日本とインドネシアでは気候条件が異なるものの、一定の効果があがると期待している。日本での経験や、ジャカルタの道路状況などから、OGEでは「同地のNOxの70%は除去できる」と推計している。

 

 大阪ガスは過去に石炭からガスを製造していた。ACFは石炭からガスを製造する際に副生されるコールタールの有効活用のために開発した技術の一つで、日本の自動車公害対策に活用されてきた。

 

http://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2018/1274537_37838.html