丸紅子会社の丸紅新電力、電力ベンチャーのパネイルと連携、家庭用「卒FIT」太陽光電力買取会社を設立。将来は「バーチャル・パワー・プラント(VPP)」構築も(RIEF)
2018-11-08 10:50:13
丸紅子会社の丸紅新電力(東京)は7日、ベンチャー企業のパネイル(東京)と共同出資で、住宅の太陽光発電設備の余剰電力を買い取る新会社「丸紅ソーラートレーディング」を設立した。家庭用太陽光発電については、固定価格買取制度(FIT)の買い取り期間が2019年から順次、期限切れとなる。新会社は、これらの「卒FIT」電力を買い取り、小売電気事業者やJEPX(日本卸電力取引所)などに販売する計画という。
新会社は、資本金1500万円で、丸紅新電力が60%、パネイルが40%を出資している。事業初年度は3万件の契約を目指している。
連携するパネイルは、2012年の設立のベンチャー企業。電力事業向けのAIを活用したクラウドプラットフォーム「Panair Cloud(パネイルクラウド)」を展開している。今年4月には、東京電力エナジーパートナーと共同で、電力・ガス小売りを手掛ける新会社PinT(東京)を設立している。
新会社の丸紅ソーラートレーディングは、7日から買い取りの受け付けを始めた。買い取りサービスは全国で展開する。自社でも営業するほか、全国で代理店となるパートナー企業の募集も開始する。
新会社の社長には丸紅、丸紅新電力を経た内田健介氏が就任した。同氏は記者会見で、「地域に根差した太陽光発電関連の企業、新電力、自治体なども含め、幅広くパートナーシップを広げていく方針」と述べ、再エネ電力のプラットフォーマーになることを目指す、と説明した。
また今回始める「卒FIT」電力の買い取り・販売事業に続いて、将来は、地域の小規模発電所を一まとめにする「バーチャルパワープラント(仮想発電所:VPP)の構築など、ITを活用した分散電源向けサービスの展開も検討していく方針だ。