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拡大する「Behind-the-meter(BTM)」市場。世界の蓄電設備、2040年までに942GW、1兆2000億㌦。日本含む9カ国市場が中心。BNEFが推計(RIEF)

2018-11-08 21:17:04

BNEF11キャプチャ

 クリーンエネルギーのリサーチ会社BloombergNEF (BNEF)は、蓄電設備のコスト低下が今後急速に進み、2040年までに世界全体で942GW/2, 857GWh 分の蓄電設備が導入され、1兆2000億㌦(約135兆円)の投資が生まれるとの推計を公表した。すでに太陽光発電や風力発電などの発電部門でコストダウンが進んでいるが、蓄電設備のコスト低下も進むことで、再生可能エネルギー電力の普及が一段と進むとみられる。

 

 BNEFの分析は最新の「Long-Term Energy Storage Outlook 」で示された。それによると、発電所レベルのリチウム・イオン電池の資本費用は今後、2018年から2030年までに52%下がる見通しだ。蓄電設備のコストダウンはこの10年間の前半に急落しているが、その低下のペースはさらに続くことになる。蓄電設備の低コスト化の影響は、エコカーなどの自動車用、電力セクター用の蓄電設備にも及ぶという。

 

 蓄電設備の低価格化による普及・進展が見込まれる主な市場は、中国、米国、インド、日本、ドイツ、フランス、オーストラリア、韓国、英国の9ヵ国が中心。9カ国合計で2040年までの蓄電施設導入量の3分の2を占める見込みだ。

 

 それらの国別では、短期的には韓国市場の伸びが大きいが、2020年初めには米国に追い抜かれる。しかし、その米国も2020年代に中国に抜かれるという。中国は2040年まで最大市場の座を維持する。

 

 アフリカなどの途上国市場でも、蓄電設備の急増が見込まれる。途上国の電力事業者の間でも、電力網を国の隅々まで拡張投資したり、化石燃料発電に頼るよりも、太陽光や風力、あるいはディーゼルなどの個別の発電設備に蓄電設備を組み合わせるほうが低コストで電力供給体制を築けるとの理解が広がっているという。

 

 BNEFのエネルギー蓄電アナリストのYayoi Sekine氏は「1年前の予測以来、さらに蓄電設備の展開がアグレッシブに進むとの予測に修正している。蓄電普及はコストダウンが予想を上回って進行していることと、蓄電設備を活用するエコカーと遠隔地へのアクセスという応用技術へ需要が増大していることの影響が大きい」と分析している。

 

 20140年の蓄電キャパシティは世界全体の発電量の7%と同量の規模になるという。投資対象となる大半の蓄電設備は2030年代半ばまでに電力網に導入される見通しだ。

 

 蓄電設備を含め、電力メーターの先にある設備投資を称して「Behind-the-meter(BTM)」と呼ぶ。BTMの需要は、企業や工場等の建物のほか、屋根置き太陽光発電設備を抱える家庭でも高まる。蓄電設備などのBTM設備投資の増大は電力網の安定を高めるほか、電力自体の品質向上にもつながる。

 

https://about.bnef.com/blog/energy-storage-1-2-trillion-investment-opportunity-2040/