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三井化学、日産自動車と共同で、自動車のシュレッダーダストの廃プラスチック回収し、石油化学プラントで循環利用システム構築へ(各紙)

2018-11-16 16:01:04

mitsuikagaku2キャプチャ

 

 各紙の報道によると、三井化学は15日、使用済み自動車から出る廃プラスチックのケミカルリサイクル技術を日産自動車と共同開発していることを明らかにした。車のシュレッダーダスト(ASR)の約30%を占めるプラスチックを回収して、油化、石油化学プラントでの再利用する循環システムを構築する。

 

 同日の経営概況説明会で、同社の淡輪敏社長(写真)が明らかにした。淡輪社長は「プラスチック循環が大きな問題になっている」と述べ、廃プラ問題の解決に同社の技術を活用、新たなビジネスとして展開する姿勢を示した。

 

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 従来、自動車のシュレッダーダストを元にした樹脂は燃料代替に利用されてきた。これを、日産との共同開発によってバンパーなどを破砕したポリプロピレンを回収、化学原料に再変換してナフサクラッカーへ投入する循環サイクルを構築する。

 

 淡輪社長は「現状まだコスト面の課題があるが、小試験やベンチ設備による油化プロセス検証を進める」と語った。2020年度以降に事業の経済性を評価するとしている。

 

 また、リサイクルしやすい食品包装材のモノマテリアル化の提案も強化する。淡輪社長は「化学の力なくして持続可能な社会の実現はなしえない」と強調した。

 

https://www.mitsuichem.com/sites/default/files/media/document/2018/event_181115.pdf